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アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その9 バイデン大統領は認知症なのか

Japan In-depth / 2023年6月3日 11時0分

アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その9 バイデン大統領は認知症なのか


古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」





【まとめ】


・バイデン大統領、失言を繰り返すなど統治能力が不安定。


・共和党は大統領に、認知症のテストを受けろと主張。


・バイデン氏が民主党の大統領選候補になれるのは、トランプ氏が出馬するとき。


 


違法入国者問題ではもう1人、フロリダ州のロン・デサンティス知事も大胆な行動に出ました。フロリダに集まった違法入国者を50人ほど、こんどは飛行機に乗せて、マサチューセッツ州の民主党系のリベラル派の大物が別荘を持っているマーサズ・ヴィニヤードという島に送り込んだのです。オバマ元大統領などが豪壮な別荘を持つ地域です。


そんな静観な地に突然、違法入国者の集団が登場するのですから、さすがに大手メディアも無視できなくて、大変なことが起きていると全国ニュースとして、大きく報じました。


民主党系のメディアは、共和党のテキサス州知事、フロリダ州知事のやることにはもちろん批判的ですから、人さらいじゃないか、勝手に連れてきたのではないか、とも非難しました。しかしこの種の州知事はみんな弁護士ですから、すぐに反論しました。アボット知事は、いやそうじゃない、私は50人の1人1人からちゃんと「ワシントンに行きたいです」という同意書をとっていると言明しました。そしてその署名を見せている。デサンティス知事も同様でした。そういうせめぎ合いがあったわけです。


このようにバイデン政権は、内政はどうもさえないのです。インフレ率が非常に高いことも指摘されます。8%なんてことになっている。これもコロナの影響でやむを得ず、モノが足りなくなって物価がどんどん上がっていく、という側面があります。しかし同時にバイデン政権の支出が膨大だという点も記録破りの高インフレ率の原因だとされています。


もう1つバイデン大統領が抱えている問題は、統治能力です。これもなかなか日本では報道されませんけれども、彼はびっくりするような失言をするのです。しかも非常に頻繁です。バイデン大統領は知り合いの女性下院議員が交通事故で死んで、弔電を送っているのですが、その1カ月後ぐらいに集まりがホワイトハウスであって、バイデン氏が進行役で、その死んだ女性議員の名前を呼んで、「来てるか」と言ったりする。死んだことを忘れてしまうのです。


日本でも大きく伝えられましたが、もし中国が台湾を武力侵攻したらアメリカはどうするのか。バイデン大統領は、アメリカは軍事力を投入して戦うと述べました。しかも何回も、でした。ところがこれも実は、アメリカ政府の歴代の政権の政策とは違うのです。バイデン政権の政策とも異なります。バイデン政権の公式政策は中国が台湾に武力攻撃をかけても、アメリカの対応はわからない、つまり曖昧にしておくということなのです。この対応には戦略的曖昧という言葉を使っています。だから大統領が言っていることとその政権の公式の政策とは違うのです。そんな実例が多々あるのです。


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