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アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その13 人種差別の国なのか

Japan In-depth / 2023年6月9日 18時0分

アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その13 人種差別の国なのか


古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」





【まとめ】


・民主党オバマ政権時、リベラル方向へかなり激しく傾いた。


・保守とリベラルの対立は基本の価値観の相違から発生している。


・民主党のリベラル過激派の1人、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員。


 


アメリカ国内で保守とリベラルの衝突が激しくなった近年、理由の一つは民主党オバマ政権の特徴でした。オバマ政権のときに、左傾が顕著となった。右と左という言い方は雑に響くかもしれないですが、いわゆるリベラル方向へかなり激しく傾いたのです。


例えばキリスト教を国の宗教であるような扱いをしてはいけないとする。クリスマスという言葉もキリスト教だから公の場では使わない、という風です。するとアメリカ国民のなお主流派であるキリスト教徒からの反発は激しくなる。しかし政治指導部がどんどん左へ、と傾斜したわけです。


LGBT、性的少数派、男性だか女性だかわからないという人たちや、男性として生まれたけれども自分の意志としては女性だという人がいる。日本でも盛んです。それに対してきわめて同情的なのがリベラル派で、どうもやっぱり結婚というのは男と女がする行為なのだと考えるのが保守派だといえましょう。


ただ保守派が少数派を圧迫・弾圧するというところまではやらないけれども、なお多数派とみられる保守派が自分たちの考え方を表明すると、それだけで今のアメリカではリベラル派から反動だとか、差別、偏見だと糾弾されるのです。


トランプ大統領の人気が高まった間接的な原因の1つは、オバマ大統領が、公立の小学校や中学校にある便所において男と女の区別をなくせという大統領令を出したことに反対したことでした。この大統領令には親の反発がすごくあった。


オバマ政権のときには議会では共和党が多数派を取っていたから、法案で出すと排除されるので、オバマ氏はその種の措置をみな大統領の行政命令として大統領の権限で出していました。この公立学校の便所区分撤廃という措置をトランプ大統領が登場して、即座にキャンセルしたです。この動きは保守層から中間層まで大歓迎されました。


このように保守とリベラルの対立は人間の生き方に関する哲学的というのはオーバーですが、思想というか、理念というか、そうした基本の価値観の相違から発しているのです。


この対立がバイデン政権になってますます激しくなってきた。特に、ブラック・ライヴズ・マターという黒人主体の運動がありますが、こういうリベラル系の活動がすごく勢いをつけてきたのです。


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