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サイテーな日本の賃金水準 住みにくくなる日本 その1

Japan In-depth / 2023年6月16日 18時0分

最低賃金に話を戻すと、これは都道府県別に定められており、厚生労働省が2022年に公表したデータを見ると、東京(1072円)。神奈川(1071円)、大阪(1023円)だけは、かろうじて大台に乗っているが、他は全て1000円未満。最も安い自治体だと853円(青森、愛媛、高知、佐賀、長崎、沖縄など)というケースもある。ちなみに全国平均は961円。





それでも全体として上昇傾向にはあるのだが、物価上昇率がそれを上回っているため、勤労者の生活は楽にならないどころか、ますます逼迫しているのが事実だ。





実際問題として、厚生労働省のデータを見ても、実質賃金(現金給与総額÷消費者物価)は、今年3月の段階で12ヶ月連続の低下となっており、2022年度の実質賃金は前年比-1.8%である。





言うまでもないことだが、物価高騰は日本だけの問題ではない。ロシアによるウクライナ侵攻と、それに対抗すべく発動された経済政策によって、食料品やエネルギー(電気代など)の価格が高騰し、庶民の懐を直撃した。





ニューヨークを拠点に活動を続けている女性の芸人さんがTVでぼやいていたが、ありきたりな朝食2人前(目玉焼き2個、アボガドをのせたパン、ツナサラダ)で70ドル、ざっと8000円近く取られたという。





「やっぱり、成功した人でないと住めない街なのですね」というのが当人の弁だが、これは物事の一面しか見えていないのではないか。





ニューヨークの外食費がバカ高いのは今に始まったことではないが、それは人件費の高さも大きな要因なのである。特に新型コロナ禍がひとまず落ち着いてからというもの、ファストフード店などでは、時給40ドル、50ドルといったケースも見受けられるようになり、「東京で上場企業の営業マンとして働くより、ニューヨークのマクドナルドでアルバイトした方が実入りがよい」などという声まで聞かれるほどだ。外報によっても、労働者階級の米国人からは、「たしかに物価が高くなっているが。その分、給料も上がってるからね」といった声が多く聞かれるという。





もちろん、上場企業で働くよりも云々というのは、家賃や福利厚生の違いを無視しているわけだから、一種のネタとして聞いておけばよいレベルの話ではある。





とは言え、日本でも非正規で働いている人たちにしてみれば、時給が5000円にもなるというのは、これぞアメリカン・ドリームだと受け取られるかも知れない。





さらには、こうした賃金格差の問題は、日米間に限られた話ではない。





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