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「マイナンバーカード・トラブル」②マイナ保険証、来年秋までの解決への道筋

Japan In-depth / 2023年6月16日 23時0分

「マイナンバーカード・トラブル」②マイナ保険証、来年秋までの解決への道筋




渋川智明(東北公益文科大学名誉教授)





渋川智明の「タイブレーク社会を生きる」





【まとめ】





・保険医医療機関の6割でマイナ保険証のトラブルが発生。





・来年秋のマイナ保険証一本化に向け、政府は説明責任を果たす必要あり。





・詐取防止や情報漏れ対策など細かな行政的ケアも求められる。





 





■マイナ保険証のトラブルが深刻化





マイナンバーカード・トラブルで、国民生活に身近で、しかも最も深刻な影響を及ぼしているのが、来年秋に廃止される健康保険証のマイナ保険証への一体化トラブルだろう。この稿の第一回目で、厚生労働省の調べで2021年10月から22年11月末までに全国でマイナ保険証の誤入力、誤登録が7312件あったことをすでに書いた。





その後、新たに60件が追加された。うち4件は薬剤処方などの医療情報を他人に閲覧された、との報告もあった。自分の医療情報が漏れたら、悪用されかねない。医師は患者に対し、的確な診療で処置、薬剤の処方をする医療技術、経験を持ち合わせていると、確信する。仮に別人の医療情報を信用して、そのまま誤って患者に適用・処方すると、大変な医療事故につながりかねない。命にもかかわる。





今年4月、保険医療機関に対しては、マイナ保険証によるオンライン確認システムが義務化された。しかしカードリーダーなどのシステム導入がまだ行き渡っておらず、利用割合もそれほど高くない。その状況下でも、全国保険医団体連合会の調べでは、システムを運用している医療機関2,385ヵ所のうち59・9%で「患者情報が表示されない」「誤った表示がされた」「他人の情報がヒモづけられていた」と公表した。





このため厚労省は3400の医療保険者にカタカナ氏名、生年月日、性別など同性同名者で間違えたりする該当ケースについて、住民基本台帳とのデータ確認などを要請した。





マイナ保険証入力ミスや、現在の保険証からの一体化登録への移行期間でタイムラグ(空白期間)が生じたために、システムで医療保険加盟者の資格確認が出来ず、病院窓口で「3割負担が10割負担支払いになった」という訴えも、893人に上った。





医療費は現役世代、退職者の年齢、所得によって医療費の1~3割を負担する。残り7割は各加盟の保険者保険料から社会保険診療報酬支払基金を通じて医療機関に支払われる。健康保険証を持参せずに医療機関の診療を受けると、いったん全額10割負担支払いが必要で、健康保険証を持参すると7割が返還される。





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