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入れ替わる?日米企業それぞれの「会社と従業員の関係」そして「HR3.0」後篇

Japan In-depth / 2023年6月22日 11時0分

入れ替わる?日米企業それぞれの「会社と従業員の関係」そして「HR3.0」後篇




小寺昇二(株式会社ターンアラウンド研究所 共同代表 主席研究員)





小寺昇二の「人財育成+経営改革」





【まとめ】





・「人的資本開示」は「大きなチャンス」。





・現在の日本企業が求められていることは「経営改革」。





・「行動」=経営改革の実行に直結するコンピテンシーにも光を当てるべき。





 





前篇では、会社と従業員の関係について日本と米国を若干歴史的に対比した上で、最近の米国企業が行き過ぎた資本主義からの揺り戻しがあるものの、日本よりも数年先行している「人的資本開示」においてやはり根本にあるのは、従業員福祉といったことではなく、従業員に投資し人財育成を進めるのは企業の成長と言う資本主義経済的な目的であること、を記しました。





さて、それでは最近の日本の会社と従業員の関係、そして人的資本開示についてはどうなのでしょう?





株式市場はグローバルなものですので、例えば、トヨタ自動車とGMやテスラが比較されるように、投資家の投資行動、企業評価については、投資家の国籍によって多少の違いはあっても、基本的には全く同じです。





日本企業における人的資本開示についても、あくまでも企業が持続的に成長していくための人的資源(人財)について、しっかり人財育成を図り、報酬他の処遇も「会社のために懸命に働いてもらう」ようにしていくことが、目的と言って良いでしょう。





安倍政権の下での「働き方改革」について、契約社員の社員化を進める政策も、社会政策的な表層を纏いながら、本音としては、「失われた30年」から脱却し、成長する日本経済を演出したいと言うことだったわけであり、岸田政権下における人的資本開示の「義務化」も、同じ趣旨だと考えるのが妥当です。





下記の国際比較で伺える日本企業の社員の自社や仕事に対する意識の低さを見るにつけ、「こんな日本企業に誰がした!」と叫びたくなるのは筆者だけでしょうか。









▲図 従業員エンゲージメントの国際比較 出典:経済産業省





「人的資本開示」と言うのは世界的な潮流だとしても、日本においては、他の先進国よりも一層大々的にこの機会を「大きなチャンス」と捉え、人への投資をアップさせて経営の革新を進めていかなければならないのです。





筆者が「HR3.0」と命名し、日本企業のHR(人事)の刷新を進めたいと考えている真意もご理解いただけるかと思います。









▲表 出典:筆者作成





最近の日本の株式市場では、日経平均がバブル崩壊以降の最高値を更新していることが話題になっています。インフレ懸念により金利上昇、景気減速予想による欧米からの、そして「中国に投資するのはさすがにそろそろ控えないと・・・」と考える欧米投資家による「消去法」によって日本株が選択されているとか、ウォーレン・バフェット効果だとか、好調の原因については色々なことが言われていますが、筆者としては、「さすがにここまで落ちた日本企業、今度こそマトモになるだろう」という期待を込めての海外からの資金流入なのではないか、と考えています。





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