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日本巡航ミサイルは中国ロケット打ち上げ基地を狙う

Japan In-depth / 2023年6月22日 23時0分

 


■ キレイな戦争


 ロケット打上基地は攻撃目標となる。その理由は以上のとおりである。


 付け加えるならば攻撃検討においては最初の候補となる目標である。


 なによりもキレイな戦争で済むので敷居は低い。互いに攻撃しても民間人被害は生じない。危険は攻撃側と防御側の軍隊構成員、戦争遂行努力に含まれるロケット関係者だけにしか及ばない。無辜を殺傷しない騎士道精神が理想とする戦争である。


 かろうじてだがゲームの範囲にも留まる。両国の指導部や軍部は本気にはならないで済む攻撃目標である。


 深刻さが低いと言い換えてもよい。少なくも長江鉄道橋や西気東輸管路道、戦略原潜基地攻撃と較べれば後生はよい。停戦や緊張緩和、将来の遺恨には繋がりにくいのである。



写真)中印戦争で、非難するインド人ら インド、1962年11月23日 *7 


出典)Photo by Express/Archive Photos/Getty Images


*1 ロケット打上基地は極めて脆弱である。その本尊である宇宙ロケットそのものは小銃どころか投石ですら破壊できる。巡航ミサイルさらには弾頭を外してその代わりに燃料タンクを入れた状態でも命中すれば完全破壊できる。


*2 例えば、文谷数重「海自潜水艦は海南島中国戦略原潜を狙う」『JAPAN INDEPTH』(2018年10月2日)


*3 専門誌も筆者の敵国攻撃の記事を取り上げている。楊震「韓日海洋安全戦略比較研究」『亜太安全与海洋研究』2023年2期(152号),pp.75-90.


*4 敵国攻撃能力の根幹は潜水艦となる。海南島中国戦略原潜基地への戦時攻撃、また平時の能力誇示が主体となる。それからすれば巡航ミサイルの主役はトマホークであり従来潜水艦にも搭載できるTTL、魚雷発射管発射型となる。


*5 米国や日本にとってベンガル湾からの中国大後方攻撃は魅力的である。ミャンマーの防空体制や中緬国境の中国防空網は貧弱であり攻撃経路としては最適だからである。


*6 防衛省は巡航ミサイル導入に際しては東シナ海対岸にある中国軍隊を攻撃する雰囲気を醸し出している。ただし、それは導入に際しての態度である。実際には中国大後方攻撃や平時における大後方攻撃能力の誇示に用いる。


*7 中国戦争指導は民間人被害の発生を嫌う。新中国以前の抗日戦争や解放戦争では敵性民間人でも丁重に扱っている。また戦争拡大にも抑制的である。中印紛争でも穏当対応でありインド侵攻後の解放軍による反撃でも圧勝後に自ら以前の対峙線まで後退している。


トップ写真:南カリフォルニアの海軍航空システム司令部(NAVAIR)西部試験場複合施設上空で制御飛行試験を実施するトマホーク・ブロックIV巡航ミサイル(カリフォルニア州チャイナ・レイク、2002年11月10日)*6 


出典:Stocktrek Images/GettyImages


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