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東大剣道部合宿で得たもの

Japan In-depth / 2023年6月23日 13時50分

私は、このような「愚行」が何だったのか考えることがある。非合理的な蛮行だが、それだけではない。現在でも、当時の仲間で集い、当時のバカ話をする。先日は、福岡から2学年上の池上浩司さんが上京したため、20名ほどが六本木の居酒屋に集まった。朝からの接待ゴルフを終え、一旦、家に戻ってから途中参加した人もいる。多忙な人たちが集うのは、それ相応の理由があるのだろう。私は、大学時代の経験が我々の人格形成に影響しているからだと思う。


私は、一連の蛮行は、大人へと脱皮するための通過儀礼だったのではないかと考えている。東大剣道部は強豪ではない。人生をかけたギリギリの試合をすることはない。さらに、我々は高度成長からバブル経済を謳歌した世代で、戦争を経験した先輩たちと比べ、ひ弱だ。我々は「愚行」を通じ、自らを鍛えたのかもしれない。受験勉強は個人でできるが、「愚行」を乗り切るには、くだらないプライドを捨て、仲間と助けあわねばならない。こうやって、我々は成長したように思う。


近年、教育の「合理化」が叫ばれ、このような「伝統」は消滅しつつある。コロナ禍で、その傾向はさらに加速した。致し方ないことかもしれないが、果たして、それでいいのだろうか。一つ確実に言えるのは、大学時代に剣道部で「愚行」に興じていなければ、東日本大震災後、私が福島に関わることはなかったことだ。人生はわからない。もう少し余裕を持った大人の目で、教育を見直すべきではなかろうか。


 トップ写真:イメージ 出典:jjohnson/GettyImages


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