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出町譲「高岡発ニッポン再興」その84 1年前に個室整備、突然の産科廃止ナゼ

Japan In-depth / 2023年6月28日 11時0分

出町譲「高岡発ニッポン再興」その84 1年前に個室整備、突然の産科廃止ナゼ




出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】





・「ウィメンズ病棟」がわずか1年で産科休止。





・医師派遣打ち切りを察知できれば、税金投じる必要なかった。





・大学側の事情で、診療科がなくなるのは危険。





 





医療関係者によれば、産科医不足はかねてから指摘されていた問題です。事前に察知できなかったのか、残念です。そこで私は質問しました。市当局は富山大学とは、市民病院の産科医不足の問題について、これまで連絡を密にしてきたのでしょうか。





病院長からこんな答弁が返ってきました。「本院の産婦人科医師について、退職者が見込まれる場合や、定期異動の時期には、医師の不足が発生しないように、富山大学へ医師の派遣を依頼し、必要な人員を確保してきた」。





回りくどい言い方ですが、医師不足が生じないように、連絡は密にとっていたようです。そこで不思議に思うことがあります。





「ウィメンズ病棟」です。





私は去年、同僚議員と一緒に、ウィメンズ病棟を視察しましたが、広々とした個室です。従来の4人部屋の広さで、おしゃれな家具などを配置し、若い妊婦に好まれるようなつくりになっていました。





助産師10人が妊娠・出産・産後ケアに対応し、安心安全な体制を強化したという説明を受けました。整備費は1,000万円でした。おしゃれな個室を持つ産婦人科は人気なので、私は市場のニーズにあわせようとする政策だと、私は評価しました。





ところが、せっかく整備したのに、それがわずか1年で産科休止という事態になったのです。





派遣打ち切りの可能性を察知できれば、こんなに税金を投じる必要はなかったのではないでしょうか。そこで質問しました。市民病院では、ウィメンズ病棟の整備は産科を今後も継続していく意思表示だったのではないでしょうか。





それに対する病院長の答弁はこうでした。「多くの妊産婦に本院の産婦人科を選んでいただき、分娩数を増やしたいという考えからであり、産科を継続していく考えで整備した」。





また、5月25日の民生病院常任委員会で病院長は改修工事を行った理由について「分娩数の少ない病院に医師を派遣できないということは、その当時から大学に言われていた。病棟を改修して分娩数の増加を図った」と語っています。





ある公的病院の医師は「病棟を整備する際、富山大学に事前に相談していたのかどうか」と首を傾げる。事前に相談していれば、開設の翌年に医師派遣打ち切りという事態は避けられた可能性があるとしています。





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