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迷惑と懲罰のバランスについて 住みにくくなる日本 その5

Japan In-depth / 2023年7月1日 11時0分

これが「ペロペロ幼児」などと呼ばれて炎上し、さらには、母親がレストランのボックス席で幼児のオムツ替えをしている動画も拡散した。





要するにこの家族は、公共心というものを持ち合わせていないようだ、とは思う。





もっぱらこういった、過去の不謹慎動画を探し出して拡散する人たちは「ネット警察」と呼ばれているらしいが、ネット社会でも現実社会でも「警察」による監視があまり行き過ぎると、やはり住みにくい世の中になってしまうのではないか。





ここまで読まれた方には、動画を拡散した者がなんのペナルティも受けないのは納得行かないと述べた私の真意が、多少なりとも伝わったであろうか。





もうひとつの、加害者の人権ばかり守ろうとするのか、という点についてはどうか。





これは非常にポピュラーな議論なのだが、そうした議論に向き合うたびに私が思い浮かべるのは、20世紀の終わりごとに英国の首相を務めたトニー・ブレアの言葉だ。





当時は野党であった保守党から、





「労働党政権は、犯罪者の人権ばかりを守ろうとする」





と非難された際に、彼はこう切り返した。





「政治とは、犯罪に対しても厳しく、犯罪の原因に対しても厳しくあらねばならない」





ここで言う政治をジャーナリズムに置き換えたならば、今次の迷惑動画の問題についても、また違う視点が得られるのではないだろうか。





スシローで少年がやらかしたことは、たしかに悪い。賠償請求に値する。私もそう思う。





とは言え、この少年一人を「人生終了」などと晒しものにしてよしとするのは、少し違うように思えてならない。





ネットで過去の迷惑動画を漁ってさらす時間とエネルギーの一部なりとも、どうすればこうした問題をなくしてゆくことができるか、と考えることに費やせないのか。





今さら遅いかも知れないが、全てのネットユーザーに、今一度考えて欲しいのである。





トップ写真:回転寿司屋(イメージ)出典:Alexander Spatari/Getty Imeges




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