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イスラエル大規模軍事作戦の背景と懸念

Japan In-depth / 2023年7月6日 11時0分

イスラエル大規模軍事作戦の背景と懸念




宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)





宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2023#27





2023年7月3-9日





【まとめ】





・ヨルダン川西岸でイスラエル軍大規模軍事作戦実施。





・自治政府の統制利かず、西岸地区「テロリストの拠点」化か。





・第三次インティファーダが起きないこと祈る。





 





今週は米国が独立記念日で休みのため全体がスロー気味だが、筆者が心配するのはイスラエル占領中のヨルダン川西岸でのイスラエル軍による大規模軍事作戦だ。日本ではあまり大きなニュースになっていないが、この軍事作戦は今後も長く続く可能性があり、仮に短期で終了しても、その悪影響は深く残る、と思うからだ。





まあ、それは後程取り上げるとして、まずは、いつもの通り、欧米から見た今週の世界の動きから始めたい。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを勝手に選んでご紹介している。欧米の専門家たちの今週の関心は以下のとおりだ。





7月4日火曜日 





仏大統領が国内200人以上の市長たちと協議





【フランスでまた暴動が起きた。きっかけは6月27日、警官が運転停止の指示に従わなかった(恐らくアラブ系の)17歳の少年を射殺したことだが、これはフランスの構造的問題だ。仏内務省は暴動開始から6晩目となる7月2日夜も全土で騒ぎが続き、拘束者は、少なくなったとはいえ157人もいたという。マクロン氏は訪独をキャンセルして国内治安の安定に努めているのだが、中国のことをあれこれ言うよりも、まずは自国内の安定を考えたらどうかね?】





インドが上海協力機構首脳テレビ会議を主催





【今回の目玉はイランが正式加盟することらしいが、議長国インドは直前にオンライン開催を決定したと報じられた。「米印首脳会談の直後だけに『反米集団』との色合いを薄めたかった思惑もにじむ」との見方もあるが、理由はそれだけではないだろう。米国はそんなこと承知の上だからだ。そもそもプーチンがどこにいるか分からない今、対面の首脳会議なんて無理ではないのかね。】





7月5日水曜日





トリニダードトバゴがカリブ共同体首脳会議を主催





【興味深いのは、この首脳会議に韓国首相が韓国首脳クラスとして初めて出席する、と報じられたことだ。海洋共同研究センターと農業技術革新プラットフォームを新設し、気候変動対応や海洋水産、食料安全保障などの分野で協力を拡大するとも報じられた。韓国外交もなかなかやるではないか。】





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