日本の英語発信がなぜ重要か JAPAN Forwardの軌跡から その3 日本が中国を論破した
Japan In-depth / 2023年7月9日 11時0分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・米「TIME」誌の見出し「日本の選択──長年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」。
・外務省が抗議、「岸田総理大臣は平和主義だった日本に国際舞台でより積極的な役割を持たせようとしている」に変更。
・日本を不当に歪める海外報道には、英語による抗議と敏速な訂正要求が重要。
★「岸田は軍事大国を目指している」
古森義久 「日本を不当にゆがめる海外報道には、本来であれば外務省が反論しなければならない。ところが、外務省は長年にわたり事なかれ主義を貫いた。中国や韓国、アメリカ左派が英字メディアを舞台に『従軍慰安婦』、『南京大虐殺』のプロパガンダを喧伝しても、日本は一部の保守派が反論するだけ。外務省は沈黙を守っていた。
とくに第二次世界大戦での日本の軍事行動の歴史については外国からどんな不正確、不条理な非難をぶつけられても、一切、反論はしない、という態度が長年、続いたのです。黙って耐えていれば、時間が解決するとでも思っていたのでしょう。ところが、状況は悪化するばかり。歴史問題を外交カードに利用され、日本の国益と国民の名誉を損ね続けました」
アリエル・ブゼット 「その基本姿勢を変えたのが安倍晋三氏でした。事なかれ主義が招いた外交的敗北の反省から、安倍政権は近隣諸国や海外メディアの誤った主張に反論し始めました」
古森 「成功例として、2015年8月に中国が展開した『反日キャンペーン』に対する反論が挙げられる。中国は『戦勝70年記念』として、日本を過去の戦争に結びつけて罵倒する国際政治宣伝を行いました。ワシントン、ニューヨーク、ロンドン。世界各都市に駐在する中国大使が、地元の有力新聞に『安倍政権は邪悪な軍国主義』 、『日本は侵略をたくらんでいる』、『核兵器をつくろうとしている』などと主張する記事を投稿したのです」
ブゼット 「それまでの日本なら、無視していたはずです。どう対応したのでしょうか」
▲写真:アリエル・ブゼット記者(執筆者提供)
古森 「事なかれ主義の慣例を破り、在米英の日本大使が中国側の主張を論破する記事をそれぞれ地元有力紙に寄稿したのです。その結果、英誌『エコノミスト』が『中国は日本を不当に悪魔化している』という特集記事を掲載して、日本側に軍配を上げました」
★日本は軍事大国になるのか
ブゼット 「先日、岸田総理が米誌『TIME』の表紙を飾りました。表紙には『日本の選択──長年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる』という見出しが躍りました」
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