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日本の英語発信がなぜ重要か JAPAN Forwardの軌跡から その4 靖国神社への誤解

Japan In-depth / 2023年7月10日 11時0分

日本の英語発信がなぜ重要か JAPAN Forwardの軌跡から その4 靖国神社への誤解


古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」





【まとめ】


・靖國参拝は中韓が外交カードに利用しているだけ。


・米にも靖國問題の本質が伝わっていなかったことが問題。


・日本が靖國参拝の本質を英語発信しておけば、事態は好転していただろう。


 


ブゼット 「取材で初めて靖国神社に行ったとき、一体全体どんな人たちがいるんだろうとドキドキしました。靖國=右翼というイメージがあったからです。ところが、全然そんなことはなかった。自分の祖父や曽祖父を戦争で亡くした人たちが多く、純粋な感謝の気持ちで参拝しているようにみえたのです。ごく普通の日本人の若い男女たちが大多数でした。


その際、参拝にきた政治家の一人、山谷えり子参議院議員に神社の境内でインタビューして、詳しく参拝の理由を聞きました。日本の国家や国民を守るための戦いで命を落とした同胞、先人の霊に弔意を表する、という一点に尽きるという印象を得ました。


その背景には死者はみな同等に扱い、生前の行動や地位で追悼面での差別はしないという日本の伝統があることも理解できました」


古森 「靖國参拝は中国や韓国が外交カードに利用しているだけ。中曽根政権以前、中国や韓国は何も言ってこなかった。問題は中韓だけでなく、アメリカにも靖國問題の本質がその時のオバマ政権には伝わっていなかったことでした。安倍総理が2013年12月に参拝したとき、オバマ政権は在日大使館を通じて『失望した』という声明を出しました。


それ以前に小泉純一郎首相が6年も連続して、中国がもっともいやがる終戦の日に靖国神社を参拝していた時には、当時のブッシュ政権はなにも言わなかった。むしろ中国の参拝中止の恫喝に屈するなと述べていました。


ところが民主党リベラル派のオバマ政権は中国寄りに傾いてしまったのです。しかしいま思えば、この日本の首相の靖国参拝も日本側はその実態を事前に懇切丁寧に英語発信で説明しておけば、事態は好転していたといえるでしょう。


靖国神社といえば、2919年9月にJFに載ったアール・キンモンス氏のイギリスの有力紙『タイムズ』の偏向報道を正す記事が印象的でした。この報道は靖国神社を『戦争犯罪人のための神社』と決めつけ、さらに当時、来日したイギリスのラグビー選手たちが靖国神社を訪れたことを日本のイギリス大使館代表が叱責した、という内容でした。


ところが実際には靖国神社へのそんな決めつけは間違いであり、しかもイギリス大使館は公式に日本側の神社などへの参拝については一切、干渉したことはないと、その報道を否定しました。キンモンス氏はアメリカ出身、イギリスの大学でも教えた学者で、JFの定期寄稿者ですが、タイムズのこれらのミス、あるいはゆがめをきちんと指摘したのです」


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