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リベラルメディアが報じないアメリカの出来事

Japan In-depth / 2023年7月13日 11時36分

だからこれら民主党びいきの米側大手メディアはワシントンで展開する国政の流れでも、民主党やリベラル派が不利になる動きを無視、あるいは軽視することが多い。バイデン政権、あるいは民主党にとっての不利な現象、さらにはバイデン大統領自身のミスや統治能力の不足には触れることが少ない。


 そんな最近の事例を紹介しよう。ドナルド・トランプ前大統領にぶつけられた「ロシア疑惑」が虚構だったという認定が連邦議会の下院本会議で確認されたのだ。だがこの事実を日本側の主要メディアはほとんど報じていない。私のみた範囲ではゼロだった。


 


 ではどんな出来事だったのか。


 


 アメリカ議会下院は6月21日、トランプ前大統領のロシア疑惑を議会で事実のように提示して追及してきた民主党有力議員を虚偽発言などの理由で非難する問責決議を採択した。この展開は民主党側の年来の立法、司法の機関を巻き込んでのトランプ氏攻撃の最大要素だったロシア疑惑が民主党側によるフェイクの情報だったことを改めて立証したこととなる。こんごの大統領選でも民主党側のトランプ叩きや共和党攻撃の信頼性を削ぐ影響も予測される。


 


 連邦議会の下院本会議は21日、昨年末まで下院情報特別委員会の委員長を務めたアダム・シフ議員に対する問責決議案を賛成213票、反対209票で可決した。シフ議員はカリフォルニア州選出、当選12回の民主党ベテランで下院では近年、情報特別委員会の委員長としてトランプ氏にかかるロシア疑惑の追及の先頭に立ってきた。


 


 ロシア疑惑は周知のように2016年の大統領選でトランプ氏とその選対本部がロシア政府の工作員と共謀してアメリカ有権者の投票を不正に操ったとする糾弾だった。民主党側はトランプ政権の誕生時からこの疑惑を多方面から追及し、特別検察官まで任命して本格的な捜査にあたった。だが2年近くの捜査の結果、疑惑には根拠がないことが判明した。


 


 今回の下院決議は議会でのこの疑惑の追及過程でシフ議員がトランプ氏のロシア政府との共謀には確固たる証拠があるとして有罪と断定する言葉を頻繁に述べてきたことを虚偽発言と断じて、その責任を衝いていた。


 


 同決議の骨子は以下のようだった。


 


 ▽トランプ氏とロシア政府との共謀の事実はないという総括がモラー特別検察官、ホロウィッツ司法省監察官、ダーラム特別検察官の個々の捜査の結果、判明していたが、シフ議員は議会公聴会で一貫して「共謀の証拠を持っている」と断言し、議会とアメリカ国民をだました。


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