大阪IRの認定取り消し請求
Japan In-depth / 2023年7月14日 0時17分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・「ギャンブル依存症問題を考える会」が大阪IR整備計画の認可決定に対する審査請求及び執行停止の申し立てを行った。
・IR事業者である米MGMリゾーツ・インターナショナルがオンラインカジノによる犯罪収益を取り込んでいる可能性があると指摘。
・日本MGMリゾーツは事実無根であり、全く容認できないと声明。
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」(以下、「考える会」)は7月13日、観光庁に対し、大阪IR(統合型リゾート)整備計画の認可決定に対する審査請求及び執行停止の申し立てを行った。
考える会は、衆議院第一議員会館で13日午前に会見し、今年4月国土交通大臣により認定された大阪・夢洲地区のIR地区整備計画(以下、「大阪・夢洲計画」)について、カジノの運営主体となる予定の大阪IR株式会社の中核的な株主となる予定のMGMリゾーツインターナショナルグループ(以下、「MGM社」)がオンラインカジノによる犯罪収益を取り込んでいる可能性が高いとして、「大阪・夢洲計画」の認定を取り消すべきであるとした。
考える会は、MGM社は2022年9月前後に日本人を対象に違法なオンラインカジノを運営していた、レオベガス社を買収していることから、レオベガス社が違法・不当に得ていた犯罪収益を内部に取り込んでいる可能性が高いと指摘。
これが事実だとすると、組織犯罪処罰法第11条、第17条に違反しており、MGM社は特定複合観光施設区域整備法に定める認可主要株主として不適格であり、大阪IR社に参画することは許されない、としている。また、不当に得た利益が間接的に大阪IRに利用されていくことは、マネーロンダリング(資金洗浄)と言わざるを得ない、とした。
考える会の田中紀子代表は、「ただ、違法オンラインカジノの犯罪資金が、MGMに流れていないのかはっきりさせて頂きたい。もしレオベガスが日本で不当に得た利益がこのまま見過ごされたら、オンラインカジノを国は容認したことになる。そうなれば、この国のオンラインカジノ対策は何も出来なくなる」と述べた。
これに対し、合同会社日本MGMリゾーツは、以下の声明をHPに掲載した。
「MGMリゾーツ・インターナショナル(以下「MGM」といいます)は、当社の全施設において常に責任あるゲーミングを推進してきたと自負しております。MGMは今後、大阪の地で世界クラスの安全性を保持した統合型リゾート開発を進めるにあたり、あらゆるステークホルダーの皆さまと密接に協働してまいる所存です。
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