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NATO、ウクライナ加盟見送り

Japan In-depth / 2023年7月19日 13時31分

続いて、中東について簡単に述べよう。今回の総理中東訪問は3年前の安倍首相による訪問とは質的に異なる新しい要素が見られた。今や中東では外交面で大規模な地殻変動が起きている。2021年8月のアフガニスタンからの米軍撤退を契機に、米国は「中東から撤退する」という誤ったパーセプションが、実態以上に拡大しているのだ。


トランプの「イラン核合意」破棄を受け、バイデンは合意再生に努めたが、一度始まった負の流れはそう簡単には元に戻せない。あまり言いたくはないが、イランはいずれ核武装に進む可能性が高いだろう。イスラエルはその前に単独でも攻撃したいところだが、仮に米国の支援を受けても、それは決して容易なことではない。イランが核武装すれば、サウジは必ずこれに続く。中東での「核兵器の拡散」は今や可能性ではなく、蓋然性になりつつあるのではないかとすら思う。この点、詳しくは今週のJapan Timesに書くつもりなので、ご一読願いたい。


 


〇アジア 


台湾の副総統が来月南米を訪問する際に「米国を経由する」と台湾外交部が発表、中国は「断固反対する」と反発している。副総統は蔡英文総統の特使としてパラグアイを訪問し次期大統領の就任式に出席するのだが、米国立ち寄りは既に慣例化している。米側の誰と会うかが気になるところだ。


〇欧州・ロシア


ロシアは、ウクライナ産農産物輸出をめぐる合意の履行を停止し、ロシア産などの輸出が実現しない限り、合意には復帰しないと発表した。これまで2か月ごとに「騙し騙し」に延長されてきた合意だが、今回ロシアはどこまで本気なのか、気になるところだ。ロシア側の新たな戦術だと思いたいが、今回はロシアも本気かもしれない・・・。


〇中東


ホワイトハウスは、17日、バイデン大統領とイスラエルのネタニヤフ首相が電話会談し、秋に米国で首脳会談を行うと明らかにしたそうだ。バイデンだけでなく、民主党関係者とネタニヤフの関係はイスラエルの司法制度改革やパレスチナ政策をめぐり、最近一層険悪化している。この程度で関係改善に結びつく可能性は低いだろう。


〇南北アメリカ


米大統領夫人が来週パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部を訪問し、米国のユネスコ復帰記念の国旗掲揚式典に出席するそうだ。ユネスコも米国に振り回されて大変だろう。米国は脱退と復帰を繰り返してきており、今回の復帰で話は終わらない可能性すらあるからだ。それにしても、米国の対国連外交は本当に身勝手である。


〇インド亜大陸 


特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


トップ写真:(左から)バイデン米国大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領、カナダのトルドー首相とイタリアのメローニ首相と、ウクライナ支持を求めるG7諸国の共同宣言を発表する岸田文雄首相。 2023年7月12日 リトアニア・ビリニュス  NATO首脳会議にて


出典:Photo by Sean Gallup/Getty Images


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