米中新冷戦とはー中国軍事研究の大御所が語る その5 中国を抑える48の具体策
Japan In-depth / 2023年7月25日 23時0分
しかし中国の主張をアメリカが受け入れたわけではない。つまり中国側の『一つの中国』原則をアメリカがそのまま受け入れたわけではないのです。
しかしアメリカは台湾を独立国家とみなすことは止めて、政府扱いしなくなりました。その後はアメリカは台湾には軍隊を駐留させない。台湾軍との合同の軍事演習もできない。台湾軍との直接の交信もできない。という状態となり、現在にいたっています。
当時、アメリカは台湾から核兵器をも撤去しました。台湾に米軍の核兵器があったことはあまり知られていないでしょう。でも中国は知っていた。そしてその撤去を求めたのです。
しかしアメリカにとって台湾は独立国家ではないからその代表の蔡英文総統のような人物も首都ワシントンには招かない。カリフォルニアでマッカーシー下院議長が同総統と会談するだけです。だが重要な点はアメリカが台湾は中国に帰属するという中国側の主張に決して同調はしていない、ということなのです」
(その6につづく。その1、その2、その3、その4)
**この連載は月刊雑誌「正論」8月号掲載のインタビュー記事「米国の過ちは抗議だけで対中政策を変えなかったこと」の転載です。
トップ写真:中国に最も近い台湾の金門島の烈嶼郷(小金門)で警戒にあたる台湾軍兵士。遠方に見えるのは中国・厦門(2021年2月3日 台湾・烈嶼郷)出典:Photo by An Rong Xu/Getty Images
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