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北朝鮮非核化戦略の核心は金正恩除去

Japan In-depth / 2023年7月26日 19時0分

この教訓から、ブッシュJr大統領は、2003年のイラク戦争においては、軍事力の壊滅とともに、独裁者フセインの抹殺を中心目標に掲げた。そして、大統領のフセインを除去することで、イラクの独裁体制を倒すことができたのである。これで、専制独裁国家の急所が、指導者にあることが明確にされた。





 米国は、30年近くの間、「北朝鮮非核化」を主張し、様々な交渉を重ね、北朝鮮を変化させようとして、政治・経済・軍事的に圧迫し続けたが、北朝鮮の政権交代は起こらず、非核化政策は失敗に終わった。むしろ北朝鮮の「金氏3代専制独裁体制」に、核ミサイル開発の時間と資金を与える結果をもたらしたといえる。「炎と怒り」の対応で、成功を収めるかに見えたトランプ政権も、結局「対金正恩和策」に逆戻りした結果、非核化は失敗に終わった。





米国は、30年間の教訓から、対北朝鮮核抑止政策は、その「意志」の壊滅、すなわち「金正恩除去」に重点が移さなければならないとの教訓を得たようだ。





■ 金正恩除去戦略を隠さなくなった米韓





北朝鮮が、2回目の火星18型ICBMを発射実験を行った4日後の7月16日、韓国国防省は、アメリカ海軍の原子力潜水艦「ミシガン(SSGN)」」が、プサン(釜山)に入港したことを明らかにした。「ミシガン」の入港は、2017年以来だ。





原子力潜水艦ミシガンは、射程が2500Kmの巡航ミサイル「トマホーク」を150発余り搭載できる原潜だが、核兵器は搭載されていない。その代わり、特殊部隊を送り込む潜水艇を装備し、特殊部隊要員を搭乗させている。すなわち「金正恩除去作戦」を行う能力のある原子力潜水艦だということだ。こうした原潜をわざと見せつけるのは、極めて異例なことである。





韓国国防省は「今回のミシガン入港を契機に、両軍による特殊作戦訓練で、高度化する北の脅威への対応能力を強化する」と強調し、米韓両軍による「金正恩斬首作戦」を隠そうとしなかった。





■ 米国は、北朝鮮ミサイル発射前除去作戦も見せつけた





米国はまた、「金正恩斬首作戦」成功のための「ミサイル発射前除去作戦」も大々的に見せつけた。





火星18型ICBMを発射実験を事前に察知していた米国は、それを監視するためにコブラボール偵察機を、7月3日から11日(韓国時間12日)まで、朝鮮半島に貼り付けた。





そればかりか、発射状況を正確に把握するために、グロ―バルホークやU2s、海軍の対潜哨戒機P-8Aポセイドンを飛ばし、通信傍受を行う偵察機リベットジョイントまで動員した。また宇宙からは、数cmまで確認できるKH(キーホール)が監視を続けていた。





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