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党幹部と都市部・農村部の年金の差

Japan In-depth / 2023年8月4日 11時0分

基本的に、社会保険料の月額納付額を100%とすると、年金の月額受給額は130~150%程度である。一例を挙げれば、上海市の社会保障費は月額1565元(約3万1300円)で、退職後は年金が月額で2286元(約4万5720円)となっている。





目下、浙江省杭州市が毎月、2500元(約5万円)の年金となっていて、中国で1番高い。ただ、1ヶ月、1000元(約2万円)を切る地域が3つある。





今の社会保障制度下では、ある場所で10年間社会保障費を払っていれば、そこで定年退職し、年金を受け取れる。仮に、上海市で10年、深圳市で10年、杭州市で10年払ったとする。こういう場合、退職する際、3つの場所から選ぶことが可能である。そこで、杭州市を選択すれば、1番高い年金をもらえるだろう。





第3に、農村部の年金である。





統計によると、2020年には農村住民の年金は全国平均で月額163元(約3200円)(d)だという。高齢者が、この年金額で暮らしていけるのか疑問である。





農村の高齢者は、金銭面で子供に頼りたくない気持ちが強い(子供に頼れる高齢者がいたら、ある意味、幸せなのだろう)。そこで、彼らは働かざるを得ないのである。けれども、ただでさえ産業があまりない農村部では、雇用機会が非常に少ない。





実は、昨年、建設業界は安全上の理由から60歳以上の男性、50歳以上の女性の建設現場への立ち入りが禁止された。そのため、高齢の出稼ぎ労働者が最も高収入のカネを稼ぐ方法を失っている。





年金がほとんどないので、彼らはケータリング、ハウス・キーピング、セキュリティ、その他、パートタイムの分野へ流れ込んで働き続ける。





だが、一方、農村部の物価水準は低く、食料品や日用品などの基本的な生活必需品の価格は割と安定しているため、高齢者がこれらの品目を購入する時、多額の出費は必要ない(b)という主張もある。





したがって、農村の高齢者は、通常、手元に10万元(約200万円)ほどあれば、ある程度、満足できる老後の生活を送ることが可能だという。





 





〔注〕





(a)『中国瞭望』「共産党の引退した幹部たちは、自分達が散財している年間支出についてどのくらい知っているのか?」(2023年7月17日付)





(https://news.creaders.net/china/2023/07/17/2627840.html)





(b)『網易』「60歳以降、退職までに貯蓄額はどれくらい必要か? 目標に達しているかどうか確認してみよう」(2023年7月23日付)





(https://www.163.com/dy/article/IA9Q7DR60544A1CY.html)





(c)『中国瞭望』「404 本文:上海はおそらく極めて貧しい」(2023年6月30日付)





(https://news.creaders.net/china/2023/06/30/2622002.html)





(d)『中国瞭望』「彼ら高齢者はアルバイトで老後を持ちこたえるしかない」(2023年7月11日付)





(https://news.creaders.net/china/2023/07/11/2625869.html)





トップ写真:上海の農村地域の道路で野菜を売る人々(2021年2月22日 中国・上海)出典:Hugo Hu/Getty Images




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