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習近平政権を悩ます2つの大事件

Japan In-depth / 2023年8月6日 7時0分

他方、7月18日、李尚福は訪中したキッシンジャー元国務長官と会談したばかりだった。





最近、解放軍ロケット部隊が機密情報を漏洩したという噂が流れている。そこで、全軍が大規模な秘密検査を受けていることを明らかになった。





一部の分析では、習主席はあらゆる分野で親しい人間が要職に就いているので、その権力基盤は安泰のように見える。だが、それは表面的に過ぎず、依然、軍部の腐敗は残っており、官界全体が「寝そべり」(最低限の仕事しかしない)状態にあるだろう。





実は、解放軍ロケット部隊指令官、李玉超が失脚し、魏鳳和・前国務委員兼国防相が「双規」(党による強制捜査、逮捕、無期限拘束等)で取り調べを受けている(c)という。





米国留学した李玉超の息子がロケット軍のトップシークレットをワシントンにリーク(昨年10月、米空軍大学中国航空宇宙研究所が中国ミサイル基地等の機密情報を公表)した疑いが持たれている。





そのためか、6月下旬、李玉超はロケット部隊の階級昇格式を欠席し、目下、取り調べを受けているという。その後、通信、情報、スパイ、電子戦などを担当する戦略支援部隊司令官、巨幹生も事件に関与した疑惑があるという。





一方、7月4日、3年前、すでに退役していたロケット部隊副司令官の呉国華(66歳)が自殺したと報道された。ところが、まもなく解放軍は呉の死因を「脳出血による突然死」と変更している。





7月25日、呉国華の死亡記事の写真がネット上に出回ったが、呉が亡くなったのは7月4日で、その記事が発表されたのは死後21日後ということになる。異例の“遅延”公表だった。





他方、5月下旬、ロケット軍部隊副司令官を務めた軍事委員会統合参謀部副参謀長の張振中と、後任のロケット軍副司令官の劉光斌が4月に逮捕されたと『明報』が報じた(ただ、このニュースはいずれも非公式である)。





 





〔注〕





(a)『万維ビデオ』「秦剛の罷免、専門家はこのように習主席を評価」(2023年7月26日付)





(https://video.creaders.net/2023/07/26/2630514.html)





(b)『万維ビデオ』「噂があちこちで飛び交う 解放軍の重要な会議で発せられたいくつかのシグナルは異常である」(2023年7月22日付)





(https://video.creaders.net/2023/07/22/2629404.html)





(c)『万維ビデオ』「この2つの事件が習近平の寝食を不安にする」(2023年7月25日付)





(https://video.creaders.net/2023/07/25/2630158.html)





(d)『中国瞭望』「ロケット部隊の一連のスキャンダル 元副司令官の訃報は死後21日目に公表」(2023年7月27日付)





(https://news.creaders.net/china/2023/07/27/2630954.html)





トップ写真:ドイツのバーボック外相と中国の秦剛外相(2023年5月9日ドイツ・ベルリン)出典:Photo by Michele Tantussi/Getty Images




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