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「遺産争い」は中韓が勝つ?(上) ロシア・ウクライナ戦争の影で その6

Japan In-depth / 2023年8月8日 7時0分

と言うのは、多数のロシア戦車を屠って名を上げた、米国製の携帯用対戦車ミサイル「ジャベリン」は、一発1000万円以上する。それでも、1輌で数億円もする戦車を仕留められるのならば、コスト・パフォーマンスは上々だと評価できるのだが、倉庫に眠っていた、市場価値としては100万円するかしないかの骨董品を仕留めるのに使ったのでは、バランスシートの観点から、いかがなものか、ということにもなりかねない。





とは言うものの、ロシアが今や深刻な戦車不足に陥り、苦慮していることに変わりはない。





今月初め、国営軍需コングロマリットのロステック社が参加の各工場に対し、





「生産ラインを再編成し、戦車の製造に全ての資材と人的資源を集中すること」





と通達していたことが分かった。このグループは、建設機械やバス、電車などの製造も手がけているのだが、そうした民生品の製造は当分の間ストップすることとなる。





これは今年初め、プーチン大統領が





「年内に新鋭戦車200輛を製造する」





と語った、その「公約」を守るための処置であるらしい。





その一方、ウクライナで鹵獲されたロシア製の対空火器などが、英国に送られて調べられているとが、やはり今月初めに明らかとなった。正確に述べると、前々からそうした噂はあったのだが、ベン・ウォーレス国防大臣が公式にその事実を認めたものである。





腐っても鯛ではないが、将来にわたってロシア製の兵器はやはり脅威である、との認識であるらしい。





ところで、ロシアが新鋭戦車を大量に製造しようとしているわけだが、以前この連載でも取り上げた、





「現在の戦車はハイテクの塊で、ロシアが最新式戦車を思うように揃えられなかったのは、2014年のクリミア併合以降、西側諸国によって課された経済制裁のせいで、電子部品などが供給されなくなったため」





という話は一体どうなったのか、と思われた向きもあるだろうか。





本稿のテーマがまさにその点で、米国や韓国、さらには台湾(!)などで製造された半導体が、中国や香港を経由して大量にロシアに流れていたことが、最近明らかになった。これまた、米国政府筋が情報をあらためて肯定したものである。





半導体や電子機器だけではなく、無人機を大量に輸出していたことも明らかになった。ウクライナにも輸出しているのだが、その20倍に達する数がロシアに流れたという。





今次の戦争に関して中国政府は、





「中立の立場で、国際社会からの要請があれば和平交渉の仲介をしてもよい」





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