1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

オランダの帯水層蓄熱利用技術、大阪で採用 メディアツアー報告3

Japan In-depth / 2023年8月7日 23時17分

しかしオランダのATESシステムも、最初の導入が1990年と歴史こそ古いが、その当時はわずか10システムしか普及していなかったという。その後、2000年には200システム、2010年には1500システム、2020年には倍増し3000システムに達するなど、急速な成長と遂げている。


では、どのような分野で普及しているのか。


業界大手のIFTechnologiesによると、オランダ国内でATESシステムを導入しているのは、オフィスビルが約45%でトップ、2番目が公共施設で約14%、3番目が病院で12%、4番目が温室で約11%、5番目が産業部門で約10%となっている。


今回、オランダで実際にATESシステムを採用しているハーグ応用科学大学を訪問した。同大学があるデン・ハーグはアムステルダムから約65km南西、北海沿岸の都市で、南ホラント州の州都である。ロッテルダムに次ぐオランダ第3の都市でもある。



写真)ハーグ応用化学大学


ⒸJapan In-depth編集部


構内を案内してくれたのは、ハーグ応用化学大学(Hague University of Applied Science)の ATES管理者であるジェラルド・ウィレムセ氏。


同大学では2017年からATESシステムと水熱システムが施設の冷房に使われている。水熱システムは、周囲の運河から水を汲み上げている。 ウィレムセ氏が敷地内の地下設備を案内してくれた。



写真)地下の設備を説明するウィレムセ氏。2023年7月5日 オランダ・ハーグ


ⒸJapan In-depth編集部


同大学の敷地は広大で、ATESシステムと水熱システムだけで全館に冷房をまかなえているのか聞いたが、「全く問題無く、全ての教室で冷房が効いている」とのことだった。


ただ、まだ冬場の暖房はこうした自然エネルギーを使わず、地域暖房システムに頼っているので、「近いうち暖房もATESなどのシステムでまかなえるようにしたい」と話した。



写真)密閉式井戸の上部 ⒸJapan In-depth編集部


 


■ 大阪でATESシステムが稼働


このATESシステム、日本ではまだそれほど普及していないが、実は大阪ですでに採用されている。


うめきた2期地区開発プロジェクト「グラングリーン大阪」(大阪市北区)がその場所だ。現在工事中で2024年夏頃の先行開業を目指している。



図)グラングリーン大阪全景


出典)阪急阪神不動産株式会社プレスリリース


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください