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神宮外苑再開発にも一応の意味はある~東京都長期ビジョンを読み解く!その102~

Japan In-depth / 2023年8月8日 21時2分

神宮外苑再開発にも一応の意味はある~東京都長期ビジョンを読み解く!その102~


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)





【まとめ】


・外苑の再開発問題を多くのメディアが取り上げるようになった。


・再開発のメリットは、税を投入せずスポーツ施設の建て替えが可能になったこと。


・都が「再開発等促進区」を設定したことで、民間主体の都市再開発が可能になった。


 


東京都の神宮外苑問題。以前から私は神宮外苑の再開発問題を指摘してきたのだが、多くのメディアがやっと取り上げるようになった。説明会も行われたものの、裁判に訴える動きもでているので、そこで白黒つけてもらえればとしか思えない。神宮外苑地区は「都心最後の一等地」であり、東京五輪の際にも問題になっていたのだが、なぜか世論の注目は浴びなかった。


説明会での質疑応答を見ていると、この計画は進行中であり「今さら」感はあるものの、外苑のイチョウの木を残したい人は行動すればいい。ただし、行政主導の再開発ではないので、納得いかなくても仕方ない面もあることは理解しておいた方がいい。個人的に長年批判してきたが、再開発にもそれなりの意味があることを忘れてはいけない。


それはなぜか、再開発のメリットは、神宮球場など、税金を投入しないで建て替えが可能になったことなのだ。



【出典】東京都都市整備局「神宮外苑地区 よくある質問と回答」


 


■ 神宮外苑の再開発で


宗教法人明治神宮、独立行政法人日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事株式会社、三井不動産株式会社が主体となった都市開発。


28.4ヘクタールにわたる広大な土地ではあるが、


・広場空間の不足


・スポーツ施設の老朽化


・狭い道路が多く、歩行者の回遊性が乏しいことなど


といった課題を解決していこうとしている。工事着工は2024年、2036年に完成する予定だそうだ。



【出典】神宮外苑まちづくりHPより前後比較


過去の経緯を整理すると以下のようになる。


1926年:明治神宮外苑地区一帯は景観保護のため日本初の「風


   致地区」に指定


1970年:条例で高さ制限が15メートルに


2003年11月:共同機構、東京都都市再生協議会、東京防災ま


   ちづくり協議会が「東京都防災まちづくり計画事業提案書」


   を作成


2013年6月:東京都が「再開発等促進区」を設定


2015年4月:都、JSC、明治神宮、高度技術社会推進協会、


   伊藤忠商事、日本オラクル、三井不動産らが「神宮外苑地区


   まちづくりに係る基本覚書」を締結、再開発へ


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