失われつつあるアメリカのソフトパワー
Japan In-depth / 2023年8月9日 7時0分
8月12日土曜日 現行パキスタン議会の任期満了
8月13日日曜日 アルゼンチン、大統領予備選を実施
【高インフレなど深刻な経済問題を抱えるアルゼンチンの大統領選は、所属政党の支持を得る備選挙が8月13日に、その勝者が10月22日の本選挙第1回投票に進むことになっているが、今年は「特に先の読めない選挙になっている」と英エコノミスト誌が書いている。南米ではよく聞く話であるが、果たして結果はどうなるか。】
さて、今週の筆者の関心事だが、実は出張と休暇を兼ね12日間日本を離れていた。その間メール返信は最小限、日本関連ニュースも敢えて殆ど見なかった。一昨日帰国して久しぶりに読む日本のニュースは「新鮮」を超え「驚き」に近い。マイナンバーカード、自民党女性局研修、ビッグモーター等、日本のメディア報道は摩訶不思議だ。
また、風力発電企業から金銭を受け取った自民党議員が離党し外務政務官を辞任したこともやや奇異に思えた。このことは今週の産経新聞のコラムに書いたのだが、あんなことを書けば、またお叱りを受けるかもしれない。今回は批判覚悟で外から見る「日本」を率直に書いたので、ご関心のある向きはぜひご一読願いたい。
もう一つ、気になるのがアメリカのソフトパワーの現状である。実は先々週久しぶりにサンフランシスコを訪れた。筆者が初めて同地を訪れたのは今から半世紀前の1970年代初頭、大学二年生の夏だったと記憶する。当時は日本を含む西側諸国各地で学生運動が吹き荒れていたのだが、今はその面影もない。
当時筆者を含む一部の日本の若者にとって同市は文字通り憧れの町だった。きっかけはサンフランシスコで1967年に開かれた「サマー・オブ・ラブ」というイベントだ。全米だけでなく欧州からも含め最大10万人のヒッピーや若者が市内のヘイト・アシュベリー周辺に集まった。いわゆるヒッピー革命の始まりである。
そのサンフランシスコに音楽プロモーター・ビルグラハムがオープンしたのが「フィルモア・ウェスト」、今で言うライブハウスで、連日多くの有名なミュージシャンがライブ演奏していた。当時筆者は高校生、1971年に収録された「フィルモア最後の日々」というアルバムを聴いて、文字通り人生が変わったことを覚えている。
あれから半世紀、今サンフランシスコはまるで変わってしまった。貧乏な芸術家はサンフランシスコに住めなくなった。シリコンバレーのIT革命で家賃・物価が高騰したためだ。シリコンバレーの若者たちは50年前のヒッピー文化など興味はない。50年前のヒッピー革命が象徴するアメリカのソフトパワーはもう失われてしまったのか。
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