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「遺産争い」は中韓が勝つ?(下) ロシア・ウクライナ戦争の影で 最終回

Japan In-depth / 2023年8月9日 11時0分

もっともこの話のネタ元は、反ド・ゴールの急先鋒と称されていた『ル・モンド』紙のベタ記事で、大統領が本当にそんなことを言ったのかは(個人的には、言いそうな奴だったと思えるが笑)、怪しいものだと見る向きが、最近では増えてきている。


トランジスタラジオと並んで、当時の日本は繊維製品も主力輸出品となっており、とりわけ「1ドル・ブラウス」は米国市場を席巻し、米国繊維業界からは恨みの目で見られていた。


そして1964年から始まった沖縄返還交渉において、時の米国政府は、あろうことか「日米繊維戦争」の解決をからめてきたのである。


当時の佐藤栄作首相がこれを呑み、輸出の自主規制に踏み切ったことから、


「糸を売って縄を買った」


などと批判された。国内の紡績業者には補助金をばらまいたが、それでも倒産件数は結構な数に上ったという。


その後も欧米との貿易摩擦は繰り返し起きているが、ここで注意したいのは、日本が売ってきたのは全て民生品だということである。


冒頭でK-POPの話題を持ち出したのも、実は話がここにつながってくる。


K-POPもまた、国策として各国の有名ミュージシャンとのコラボなどを推進し、評価を定着させてきた。


これに対して、半世紀ほども前から、日本の漫画やアニメは欧米で歓迎されているし、最近では音楽やお笑いといったエンターテインメントの分野でも、日本人が世界を驚かせる例が見受けられるようになってきている。


ロシア・ウクライナ戦争の影で、中国や韓国が軍事技術を発展させたり、兵器輸出で大もうけしたりしているのは、紛れもない事実だが、それをうらやむ態度は間違っていると私は考える。


言い方は悪いが、戦車やロケット砲などという「物騒な物のセールス」は中韓にでも譲って、日本は平和産業や娯楽産業でトップランナーの地位を目指すのがよいと私は思うのだが、どうだろうか。


 


(最終回。その1、その2、その3、その4、その5、その6)


トップ写真:演習中の韓国製K2戦車(2015年)


出典:Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images


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