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大統領選まで半年 インドネシア焦点は副大統領候補者の人選に(下)

Japan In-depth / 2023年8月12日 0時22分

大統領選まで半年 インドネシア焦点は副大統領候補者の人選に(下)




大塚智彦(フリージャーナリスト)





「大塚智彦の東南アジア万華鏡」





【まとめ】





・インドネシア、正副大統領ペアを有権者が投票する直接選挙制。





・世界最大のイスラム人口国だけに、イスラム教徒の投票行動が影響。





・副大統領候補は、政党間の合従連衡か、イスラム組織から選ぶかが重要。





 





インドネシアの大統領選は正副大統領のペアを有権者が選択して投票する直接選挙制であり、その選択結果が次期政権の根幹をなすことになる。





フィリピンの場合は大統領と副大統領は個別に投票が行われる。このためドゥテルテ前大統領の政権ではレニー・ロブレド副大統領という野党候補が当選し、大統領の政策に時として反対するというある意味でバランスのとれた体制が制度的に可能だった。





こうした制度の違いからインドネシアの大統領選では大統領候補とペアを組む副大統領候補の人選が極めて重要な要素となる。





ガンジャル・プラノウォ中部ジャワ州知事は「闘争民主党(PDIP)」から大統領候補者として指名を受けているが、副大統領に同じPDIPの候補を選んでPDIP票で固めるか、あるいは与党第二党の「ゴルカル党」の有力者を迎えて政党連合でより広い支持を狙うのかが焦点となる。





★第二党ゴルカル党からの副大統領候補





政権与党第二党のゴルカル党はスハルト長期戦権を支えたゴルカル(職能集団という公務員組織)の流れを汲む政党で地方公務員や教育界、スハルト元大統領の支持層と全国的な票田を有しており、PDIPとしても勝利を確実にするためには必要不可欠な連合といえるだろう。





7月27日にアイルランガ党首(経済調整相)はPDIPのプアン国会議長と個別会談しており、大統領選に向けたPDIとゴルカル党の何らかの調整が行われたとみられている。





第二党のゴルカル党の有力者を副大統領候補に据えたいのはPDI以外の政党も同じだが、ここへ来てアイルランガ党首に対して司法長官事務所の特別犯罪担当者が食料油産業の汚職事案に関連して事情聴取したとの報道が流れた。





このためアイルランガ党首以外にリドワン・カミル西ジャワ州知事などの別の人物がゴルカル党から出馬する可能性もでてきた。





★様々な副大統領の候補者





アイルランガ党首の他にも副大統領候補として名前が取り沙汰されているのは若者や女性の支持が高い実業家のサンディアガ・ウノ観光創造経済相、総合メディアグループを率いる実業家エリック・トヒル国営企業相、スシロ・バンバン・ユドヨノ前大統領の息子、民主党アグス・ハリムリティ・ユドヨノ党首、イスラム政党「民族覚醒党(PKB)」のムハイミン・イスカンダール党首、元PKB幹部で第四代大統領アブドゥルラフマン・ワヒド(グス・ドゥール)氏の次女イェイニー・ワヒドさん そして前述のゴルカル党リドワン・カミル西ジャワ州知事など現段階では実に多士済々の顔ぶれである。





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