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大統領選まで半年 インドネシア焦点は副大統領候補者の人選に(下)

Japan In-depth / 2023年8月12日 0時22分

★鍵はイスラム勢力の取り込みか





7月に入ってイスラム政党PKBがムハイミン党首を大統領候補とすることを明らかにし、これまでの3有力候補によるレースに参戦することを明らかにした。





PKBは正式メンバーが約3000万人といわれるインドネシア最大のイスラム組織「ナフダトゥール・ウラマ(NU)」を背景にするイスラム政党でその抱える有権者数は選挙の度に大きな影響力を発揮している。





インドネシアにはイスラム政党が複数あり、これまでに大半がガンジャル知事、アニス知事のいずれかを支持する姿勢を明らかにしている。





さらに正式会員数約60万人、シンパ数は約3000万人ともいわれる第二の組織「ムハマディア」、権威あるイスラム教指導者の組織「インドネシア・ウラマー協議会(MUI)」などが存在している。





NUは農村部などに支援者が多く、ムハマディアは都市部の若者や有識者の支持が多いと一般的にいわれている。





現在の2期目のジョコ・ウィドド大統領の副大統領はNU総裁、MUI議長を歴任したマアルフ・アミン氏であり、大統領選挙を戦う上でイスラム勢力の支持取り付けがいかに鍵となるかを象徴しているといえる。





こうしたことから3有力大統領候補は今後、政党間の合従連衡でぺアとなる副大統領候補を選ぶか、それとも大票田をもつイスラム組織から指導的あるいは有力な副大統領候補を選ぶかを選択することになるとの流れが極めて強くなっている。





支持政党を持たない無党派層も多いインドネシアの有権者だが、世界第四位の人口約2億6000千万人の約88%がイスラム教徒であるという世界最大のイスラム人口を擁する国だけに、大統領選挙の行方にもイスラム教徒の投票行動が大きく影響してくる。その際にNUやムハマディア、MUIなどの全国的イスラム組織の支持取り付けが勝敗決め手になる可能性は高い。





今後10月の正副大統領候補者の届け出締め切りを念頭にして、ますます副大統領候補の選択が激化することは間違いなく、インドネシアから目が離せない状況が続くことになる。





(上はこちら)





トップ写真:アルジュナ寺院群で挨拶する中央ジャワ州知事ガンジャル・プラノウォ(2022年9月3日、インドネシア・バンジャルネガラ)出典:Photo by Robertus Pudyanto/Getty Images




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