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高校野球の弊害について(上)日本と世界の夏休み その2

Japan In-depth / 2023年8月12日 23時0分

 面白いから全部書き出そうかとも思ったが、さすがに原稿料泥棒の誹りを免れそうもないので、ここは「詳しくはWEBで」とさせていただく。それくらい多種多様だ。


 一方、猛暑の時期にスポーツ大会を開催することには、批判や疑問の声もまた、年々高まりつつある。


 地球温暖化という問題については、実は色々な考えを開陳する人がいるのだが、素朴な生活実感として、やはり日本の夏の暑さは年々厳しさを増している、と言わざるを得ない。


 昭和の時代、熱中症ではなく「日射病」という言い方でもって、真夏に屋外で運動することを危険視する向きはあったのだが、危機感は昨今の比ではなく、運動部など「練習中は水を飲むな」などと普通に言っていた。


 さらに言えば、日射病すなわち直射日光の危険性を言いながら、海水浴場では「XXXX大会」なるものまで開催されていたのである。伏せ字にした部分は、今では差別用語として排撃されてしまうからだが、要は日焼けの度合いを競うイベントで、肌が漆黒に見えるくらい日焼けした方が健康的であるという、今となっては信じがたい価値観が存在したわけだ。


 もちろんこれは過去の話で、21世紀の現在では、熱中症は時と場合で命に関わるという認識も広く浸透してきている。


 屋外スポーツだけではなく、総本山少林寺では、本堂にエアコンがないので、大学少林寺拳法部の夏合宿を取りやめて、冬のみとした。このこともまた、以前より猛暑が深刻になってきている事例のひとつだと、私には思える。


 高野連もこの問題について、さすがに無関心ではおられないようで、会場を冷房設備のある京セラドーム大阪に変えてはどうか、という案も取り沙汰されていると聞く。


 そもそもこの大会が阪神甲子園球場で開催されるようになったのは1924年からで、それ以前は豊中球場や鳴尾球場が使われていたし、阪急西宮球場が併用されたこともある。


 実際問題として、ここ数年、予選の段階から熱中症の事例が後を絶たない、第一回戦でも、外野を守っていた選手が足をつらせた。これなども脱水症状の可能性が高い。


 対応策として、今年から五回終了時点で10分間、筋肉を氷などで冷やす「クーリングタイム」が設けられているが、筋肉というのは急激に冷やすと硬化してよくないし、冷やした直後にまた猛暑の下でプレー再開となるのでは、効果のほども疑わしい。冷房設備のあるドーム球場での開催という案が取り沙汰されるのも、当然の成り行きだと思える。


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