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台風5号による中国の被害と習主席への風刺

Japan In-depth / 2023年8月18日 17時0分

台風5号による中国の被害と習主席への風刺




澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





【まとめ】





・7月末から8月上旬にかけて、台風5号が中国大陸に襲来、各地に被害。





・最も深刻なのは、「北の大サイロ」黒竜江省五常市の災害ではないか。





・習近平主席、李強首相さえ河北省被災地に姿を現していないことを揶揄する論評も。





 





今年(2023年)7月末から8月上旬にかけて、台風5号が中国大陸に襲来した。そのため、河北省保定市の涿州市と涞水市(中国では市の中に市が存在する場合がある)は洪水で浸水(a)した。





特に、涿州市は7月31日から大規模な洪水が発生し、市内一部では水深が7メートル以上に達した。多くの村が水没し、行方不明者も多数出ている。





他方、涞水県は、8月1日、大雨で鉄砲水を引き起こし、いくつかの村が失われた。実際、涞水県湯家荘村西坡根だけで14人が死亡したという。





その被害状況を視察していた陸軍第82集団(?)と保定市政府関係者を乗せた軍用ヘリコプターがパトロール中に涞水で墜落した。同乗していた16人全員が死亡したという。軍人が13人、地元政府関係者3人だった。





死者のうち1人は保定テレビ局の李一凡記者で、他には保定市交通局の李建英副局長、保定市緊急管理局の局長である。あとは、駐屯地の副参謀長、副旅団長を含む軍関係者だった。





墜落原因だが、当時、濃霧でパイロットの技量不足のためか高圧線に触れて墜落した公算が大きい。ヘリコプターが墜落した際、水中で感電死した人や溺死した人がいたという。目下、SNS全体がこのニュースをブロックしている。





一方、中国東北部(遼寧・吉林・黒竜江)も台風5号により甚大な被害を受けた(台風6号でも、若干、影響を受けたかもしれない)。





例えば、8月3日、吉林省舒蘭市人民武装部大佐で政治委員の周昆訓(46歳)が、被災者救出中に殉職(b)している。





だが、最も深刻なのは、黒竜江省五常市の災害ではないか。黒龍江省は「北の大サイロ」として知られ、毎年豊富な食糧を国に供給している。とりわけ、五常米は全国的に有名である。





2022年現在、東北穀物唯一の「北大荒グループ」が12年連続で400億斤(1斤は0.5kg。2000万t)以上を生産してきた。





8月4日、五常市の被害面積はすでに4万0963畝に達し、そのうち、稲作面積は3万6549畝である。15畝が1ヘクタールなので、後者は2436.6ha(=24.366㎢)となるだろう。今年の収穫に大きな影響を与え、場合によっては、中国全体の食糧不足につながりかねない。





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