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中国、AI技術で米の後塵拝す

Japan In-depth / 2023年8月24日 17時0分

中国、AI技術で米の後塵拝す


澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)





【まとめ】


・中国大手IT企業が、米NVIDIA製チップを大量購入。


・米政府は、中国への先端チップやその他の技術の供給を打ち切っている。


・米中のAIをめぐる技術格差はますます広がるに違いない。


 


最近、中国の4大IT企業大手、テンセント・アリババ・バイドゥ・バイトダンスがNVIDIA(中国語名「輝達」or「英偉達」本部:米カリフォルニア州サンタ・クララ)製チップを50億米ドル(約7250億円)分も先を争って購入(a)したと報じられている。


これら4社は約10万個のA800チップを発注した。中国4大大手企業が高性能とは言えないA800だけを先を争って購入したことは注目に値するだろう。


周知の如く、近年、習近平政権が「戦狼外交」を展開している。そのため、特に、米中関係が悪化した。米政府は、中国共産党の“軍事的野心”を抑えるために、中国への先端チップやその他の技術の供給を打ち切っている(b)(同時に、ワシントンは同盟国に対し、中国へのチップ技術・機器輸出禁止や制限を課すよう働きかけている(c))。


例えば、昨(2022)年10月、バイデン政権はNVIDIAの高性能のH100・A100チップを含め、米国の半導体メーカーが中国市場に先進チップを販売することを禁止(d)した。そこで、NVIDIAは中国向けにA800・H800チップを特別生産して、米政府の禁止条項に抵触しないよう性能を低下させた。


昨今、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)はNVIDIAのH100チップを購入(e)している。


サウジは、アブドラ国王科学技術大学(世界1の大学を目指す)を通じて、少なくとも3000個のNVIDIA 製H100チップを買収した。


NVIDIAのCEOである黄仁勲(英語名はJen-Hsun "Jensen" Huang。台湾・台南市出身で米国へ移住)によると、1チップあたり4万米ドル(約580万円)のこのチップは、「生成AI(人工知能)」(従来のAIは決められた行為の自動化が目的だが、「生成AI」はデータのパターンや関係性を学習し、新しいコンテンツを自ら生成する)専用に設計された世界初のコンピューター・チップ だという。


他方、UAEは数千のNVIDIAチップへのアクセスを確保し、アブダビのマスダール・シティにある国営科学技術イノベーション研究所で、独自のオープンソース・ビッグ・ランゲージ・モデル(大規模言語モデル)「ファルコン」を開発している。


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