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金正恩、失政に抗議する住民に弾圧組織新設

Japan In-depth / 2023年8月29日 7時0分

 300万人が餓死したと言われる1990年代中盤の「苦難の行軍」時期には、金正日が、農業担当書記の徐寛熙(ソ・グヮニ)を米国のスパイに仕立て上げ処刑するとともに、「深化組」という摘発組織を作り、数千名の幹部と住民を、処刑もしくは強制収容所送りにした。


 また2009年には、金正恩が、経済危機を脱する手法として、住民の財産を収奪するいわゆる「貨幣改革(貨幣単位を100対1に切り上げ)」を強行し、外貨の使用を禁止するとともに、15万ウオン以上の旧通貨は新通貨と交換できなくしたが、これが見事に失敗し、住民の猛烈な反発を受けで窮地に陥ったことがあった。


この時も経済担当の党書紀である朴南基(パク・ナムギ)に責任転嫁し、彼を処刑することで危機を回避した。処刑の直前に、朴南基が「金正恩だけは許せない」との言葉を残したとの言い伝えは、今も語り継がれている。


 今回金正恩が、総理の金徳訓らを厳しく叱責し、彼に経済政策の失敗をすべて転嫁する行為に出た背景には、現在の北朝鮮経済危機が、1990年代の危機に匹敵する深刻な状況であることを示すものである。


 今後、凄まじい粛清の嵐が吹き荒れることが予想されるが、金正恩がどこまでナタを振るかには注目する必要がある。


トップ写真:ソウル駅で、北朝鮮の金正恩氏を映すテレビ放送を見る市民ら。2023年8月24日 韓国・ソウル


出典:Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images


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