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この夏、一番「?」だった映画   日本と世界の夏休み その7

Japan In-depth / 2023年8月31日 23時0分

 小学校低学年の頃から、かなりの数の映画を見てきたし、様々な角度からの知見も養ってきた。その集大成として、今のところ電子版のみであるが、この春『正しい邦画のミカタ』(アドレナライズ)が刊行されたので、できればご一読いただきたい。


 もう一本『クレヨンしんちゃん』も見た。タイトルをフルで紹介させていただくと、『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE超能力大決戦とべとべ手巻き寿司』である笑。あまりといえばあまりなので、以下『しんちゃん』とさせていただく。


 ジャンルを問わず映画を沢山見た、などと大見得を切って、舌の根も乾かぬうちに言い出しにくいのだが、アニメ映画だけは、いささか「食わず嫌い」の傾向があって、ジブリの作品以外はほとんど見ていない。『鬼滅の刃』のような話題作も含めて。今次も、ジブリの新作『君たちはどう生きるか』を見るつもりだったのだが、ネットで賛否両論、というよりは「プチ炎上」状態だったので、どんなものか、と先に見た次第。


 このシリーズは数多く公開されているが、初の3DCGということで、チケット代に3D用眼鏡の料金が上乗せされていた。


 ジブリのアニメを見慣れている身としては、あの『しんちゃん』の面々を3Dで見せられる意味がよく分からなかったが、ネットで話題になっていたのは、そのことではない。


 概略紹介すると、20と23の年に、正義と悪の超能力者が地球に誕生する、という予言が現実のものとなり、正義の超能力を授かったのは主人公しんちゃん(=野原しんのすけ)、そして暗黒の力を授かったのは非理谷充(ひりや・みつる)。


明らかに「非リア充」をもじった名前だが、その名の通り、学業も就職活動もさっぱりで、30過ぎて仕事はティッシュ配り。私自身、あれって職業だったのか、などとつい思ってしまったので、あまり偉そうに言えた義理ではないのだが、非正規雇用で友達も恋人もいない「弱者」として描かれている。そのような生活の中、唯一の心の支えだった「推し」のアイドルが結婚してしまったことで、世の中に対する恨みをつのらせた彼は、手に入れた暗黒の超能力で社会を混乱に陥れるが、クライマックスでは主人公の地元である埼玉県春日部市に現れ、園児達を人質に幼稚園に立てこもる。あとは「お約束」の展開で、正義の超能力を授かった主人公が奮闘し、悪を制圧する。


そして最後に、これもシリーズのお約束らしい(それほどたくさん見ていないので……)のだが、父親(野原ひろし)が非理谷に説教を垂れるのだ。


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