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ワクチンで予防できる帯状疱疹

Japan In-depth / 2023年9月6日 11時0分

一方で、高齢者にとってはブースター効果(追加免疫効果)が得られなくなったとも言われる。これは一度獲得した免疫機能が抗原に再度接触することによって免疫機能がさらに高まる効果のことである。すでに述べたように、水痘にかかったことのある人は、帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏していても免疫機能で抑え込むことができているが、水痘流行が減ることでブースター効果が減るなら、皮肉なことに帯状疱疹の発症リスクは上がるのかもしれない。





それでは帯状疱疹を予防するにはどうするか。米国では以前から高力価の水痘ワクチンを帯状疱疹予防として使うように推奨していた。日本では、2016年から水痘ワクチンを「50歳以上の者に対する帯状疱疹予防」目的で使用できると明記されるようになった。このワクチン接種は任意接種なので、実際には50歳以下の方でも帯状疱疹予防の目的で接種しにくる方はたくさんいた。その後、2018年に乾燥組替え帯状疱疹サブユニットワクチンである『シングリックス』が日本国内で承認され、2020年1月から流通が始まった。このワクチンは2−6ヶ月の間隔をあけての2回接種が必要であるが、帯状疱疹の発症率を90−95%減少させることがわかっている。(水痘ワクチンの予防効果は50-60%だ)





ただ、注射部位がやや痛いのと、人によっては当日ないし翌日に発熱する方がいるので、日程調整をしておくことをお薦めしておく。値段はやや高めで1回25000円前後が多いと思う。発症リスクが高いとされる50歳以上の方に対して、帯状疱疹ワクチン任意接種の費用を補助してくれる自治体も多く出てきている。補助額は自治体ごとに異なり、新宿区のように患者負担額が1万の自治体もあれば、逆に補助額を1万円と設定している自治体もある。いずれにしてもうまく活用してほしい。





また今まで50歳以上に限定されていたが、今年6月から「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者」に対象が拡大された。50歳以下でも、免疫が低下する病気の人、免疫が下がる治療を受けている人、帯状疱疹が心配な人なども自費診療にはなるけれど、帯状疱疹予防ワクチンを接種することができる。帯状疱疹は、疼痛や皮膚病変、その後遺症などから、日常生活に非常に支障をきたす疾患である。機会があればぜひ予防接種を検討していただきたいと思う。





トップ写真:帯状疱疹ワクチン(イメージ ※本文とは直接関係ありません)出典:AndreyPopov/ Getty Images




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