習近平、G20に出席できない理由
Japan In-depth / 2023年9月6日 17時0分
一神教の本質は、被造物たる人間と絶対神との契約であり、その内容は普遍的なものだ。この神との契約から生まれたキリスト教とイスラム教は、基本的に世界共通であり、特定の国家に従属することはない。21世紀の世界でイスラム教を「特定の国家のオリエンテーションに変質させる」ことなど、そもそも不可能なのだ。
こう考えれば、先週書いた通り、今回の日本に対する「非科学的」批判もイスラム教の「中国化」政策も、コロナ後の中国社会で高まりつつある「共産党失政」への民衆の不満を逸らすため、としか思えない。今後とも、中国国内の動向には目が離せないだろう。国内の不安定は中国自身だけでなく、世界全体にとって有害である。
〇アジア
今週のASEAN首脳会議では南シナ海問題が議論され、一部加盟国は中国が最近公表した領土・領海を示す新地図につき問題提起する方針だという。それにしても、多くの国を敵に回すような地図をなぜわざわざ首脳会議直前に発表するのか。そうした圧力が逆効果になることを中国共産党の幹部はなぜ分からないのだろうか。
〇欧州・ロシア
トルコ大統領がロシア南部ソチを訪れプーチン大統領と会談し、ウクライナ産穀物の黒海経由輸出合意への復帰を直接働きかけたらしいが、結果は不調だった。7月にロシアが同合意から離脱して以来、ロシアの強硬姿勢は変わらない、というか、ロシア側も相当切羽詰まっているのではなかろうか。
〇中東
中東訪問中の林芳正外相にヨルダン副首相兼外務・移民相が福島第一の処理水について、「日本が国際的基準を順守して実施していくことを信頼している」と述べたそうだ。当然ではあるが、先代のフセイン国王の時代からヨルダンは良識の国だと思う。こんな話を聞くたびに如何に中国が理不尽な国か良く分かる、ということだろう。
〇南北アメリカ
米紙WSJの世論調査では、今年既に4度起訴されているトランプ氏が大統領選の最有力候補と見る共和党有権者が4月の48%から59%に増えたという。起訴でトランプ氏に投票する可能性が高まったとする人は48%だそうだ。「極端な候補者は予備選で勝っても本選では負ける」というジンクスはトランプには通用しないようだ。
〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:大クレムリン宮殿での調印式で演説する中国の習近平国家主席( 2023年3月21日 ロシア・モスクワ)出典:Contributor/Getty Image
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
日中首脳会談が開催。習近平政権が石破政権に歩み寄る三つの理由
トウシル / 2024年11月21日 7時30分
-
APEC首脳会議の習近平主席「トランプ氏再登場」を意識した言動目立つ
RKB毎日放送 / 2024年11月18日 14時57分
-
“石破外交”本格始動 世界のリーダーたちとどう渡り合う?会談での“表情”は…【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN / 2024年11月18日 9時39分
-
習近平主席が北京を出発、ペルー・リマでAPEC首脳会議に出席、同国を公式訪問
Record China / 2024年11月13日 16時20分
-
中国・習氏、保護主義反対訴えへ トランプ氏就任にらみ南米訪問
共同通信 / 2024年11月8日 19時28分
ランキング
-
1ビシネスホテル“強盗” 自称会社員の少年を逮捕 群馬・高崎市
日テレNEWS NNN / 2024年11月24日 13時15分
-
2「“確率”の問題は“数学I”の範囲外」 受験生の指摘で発覚 島根県立大学の入試で出題ミス 島根県出雲市
日本海テレビ / 2024年11月24日 11時51分
-
3党員不適切登録の自民・田畑裕明衆院議員、社員が架空党員にされたか尋ねた社長に「党費はあなたが払ったことにして」
読売新聞 / 2024年11月24日 10時57分
-
4県議会自主解散など要求=維新、兵庫知事選を総括―吉村共同代表
時事通信 / 2024年11月24日 15時35分
-
5セブン&アイ「9兆円MBO案に潜む“危険な賭け”」。非上場で外資による買収は回避できるけど
日刊SPA! / 2024年11月24日 8時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください