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ジャニーズ事務所、自ら招いたいばらの道

Japan In-depth / 2023年9月10日 17時32分

▲写真 会見に臨む東山紀之氏(2023年9月7日 東京・千代田区) 出典:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images





タレントが培ってきたエネルギーとプライドが大事で、その表現のひとつだから屋号を変えなくてもいい、という論理が意味不明だ。大事なのは、屋号を守ることではなく、被害にあった人達への謝罪と補償だろう。被害にあった人達は到底納得できないのではないか。かつ、事務所の名前に「ジャニーズ」という名前を冠することで負のイメージが今後もつきまとうことになる。解体的出直しの足を引っ張ることは間違いない。





事務所の株は藤島氏が100%保有している。したがって、屋号を変えることができるのは、オーナーで株主の藤島氏だけだ。東山新社長に変える権限はない。これひとつ見ても、藤島氏が全ての権限を東山氏に渡すのを嫌がっているように見える。





第四に、被害者に対し、被害回復のための適正な補償をする「被害者救済措置制度」について、具体的な説明がほとんどなかったことだ。





事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」は8月29日に公表した調査報告書で、「ジャニーズ事務所は組織として、ジャニー氏の性加害が事実であると認め、真摯に謝罪することが不可欠。すみやかに被害者と対話を開始して、その救済に乗り出すべき」と提言した。





今回の会見で、いつから被害者たちと補償・救済に向けて対話を始めるかの説明はなかった。すべてこれから、という姿勢だった。藤島氏が5月14日にビデオメッセージを公開してから4カ月近く経っている。その間、何もしていなかったのだろうか。今、公に被害救済を訴えている人以外に、まだ声を上げていない多くの被害者がいると思われる。そうした人達が事務所にコンタクトを取る際の窓口(例えばフリーダイヤルやウェブサイトなど)を今回発表するべきではなかったのか。そこに大きな失望感がある。





第五に、「調査報告書」が求めている再発防止策の内、「人権方針の策定と実施」、「研修の充実」、「ガバナンスの強化」、「CCOの設置」(編集部注:CCO=チーフ・コンプライアンス・オフィサー)、「メディアとのエンゲージメント(対話)」、「再発防止策の実現度のモニタリングとその公表」について、ほぼゼロ回答だったことだ。どれもすぐに取り組まねばならないものばかりなのに、これでは本気で改革する気なのか疑われても仕方ない。





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