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ジャニーズ事務所、自ら招いたいばらの道

Japan In-depth / 2023年9月10日 17時32分

一体、何のための会見だったのか。





■ メディアの責任





特に、「メディアとのエンゲージメント」は極めて重要な問題だ。新聞・テレビは、これまでジャニー喜多川氏の性的虐待についてほとんど報じてこなかった。社会はマスコミをジャニーズ事務所と共犯だと見ている。





報告書は、「ジャニーズ事務所は、すみやかにメディアとのエンゲージメント(対話)を開始して、 二度と同様の性加害の発生を許さないことを宣言し、そのために人権方針を定め、ガバナンス体制も整備して再出発するという強固な決意を明らかにし、今後はメディアとの相互監視、相互牽制により人権侵害の再発を防止していく姿勢を示すことが求められる」とした。





各テレビ局はすでにそれぞれ声明を出しているが、どの局のも通り一遍のもので、見て見ぬ振りをしてきた人権侵害に対し今度どのような態度で臨むのかについては全く踏み込んでいない。





各メディアがジャニーズ事務所のタレントを今後使い続けるのかどうか、どのような基準で判断していくのか、再発防止にどうかかわっていくのか、などを公表すべきだろう。同じことは新聞にもいえる。また、CMにかかわっている大手広告代理店も同様だ。





ジャニーズ事務所からのアクションを待つのではなく、みずからこの人権侵害にどう対処していくのか考えてその対応を公表することが、企業としての責任だ。





■ ジャニーズ事務所のこれから





結局藤島氏は、同族経営とこれまで築いた資産の温存を図ろうとしているのではないか。そうした印象を内外に広めてしまった。





しかし、それは逆効果だ。すでに大手スポンサーが事務所離れを表明している。横並び意識が強い日本企業は今後他社の動向を見て、同じ判断を下すだろう。スポンサーが降りれば、テレビ局も、同じタレントをドラマやバラエティーに起用するのも難しくなる。





一方で、そうなってくると、今後、事務所所属の多くのタレントは、彼らに罪はないのに仕事を失うかもしれない。彼らへの援助が必要になってくる。また、事務所を辞めて事実上干されている元ジャニーズ事務所所属のタレント達が再び表舞台に復帰できるような仕組みも必要だ。東山新社長のやるべきことはとてつもなく多い。





今回の会見を見る限り、ジャニーズ事務所は再生へ向けての道を自ら難しいものにしてしまった。この合理的でない判断はどのようになされたか、外からはうかがい知れないが、まずは、被害者の人達とどのような「対話」がなされるのかに加え、実際に「法を超えての救済」が行われるのか、注視したい。





(了)





トップ写真:記者会見に臨むジャニーズ事務所前社長藤島ジュリー景子氏、ジャニーズ事務所新社長東山紀之氏、ジャニーズアイランド社長井ノ原快彦氏、弁護士の木目田裕氏(2023年9月7日 東京都千代田区)出典:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images




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