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政治家の情けないプレゼンテーションスキル

Japan In-depth / 2023年9月14日 11時0分

政治家の情けないプレゼンテーションスキル


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)





【まとめ】


・自民党新4役会見で小渕優子選対委員長が質問に声を震わす。


・岸田総理は相変わらず単調な会見で、何がメッセージか伝わらず。


・政治家として「国民に訴えかける力」を持ってもらいたい。


 


きょう自民党新四役の会見とその後の岸田総理の会見を見て、2つ感じたことを記す。


1つ目は、小渕優子新選挙対策委員長の会見の対応のまずさだ。


驚いたのは、小渕氏が2014年に「政治とカネ」の問題で経済産業相を辞任した経緯を問われた時だ。「心に反省をもち、決して忘れることのない傷だ。私自身の今後の歩みをみてご判断いただきたい」と述べたが、その後、説明責任を果たしたと思うか、と畳みかけられると、言葉を詰まらせ、「十分に伝わっていない部分があれば私自身の不徳の致すところだ」と声を震わせた。新聞の中には「涙目で」とか「涙ぐむ」と見出しをとっているところもあった。



写真)少子化問題を担当する副大臣に任命された小渕優子氏は、2008年9月24日 東京 首相官邸


出典)Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images


新人議員でもあるまいし、中堅どころか、次期総理を狙えるのではとの呼び声も出ている、と質問の中で話している記者もいた中での一幕だった。


この質問は100%記者から出ることはわかっていたはずだ。事前に想定問答のトレーニングを受けなかったのだろうか。


通常、民間で、新しくしかるべきポジションについた人は、インタビューのトレーニングを受けることが多い。聞かれたくない質問、想定外の質問、苦手な質問などに対して簡潔かつ適切に答えることが出来るまで模擬会見を行って練習するのだ。


茂木幹事長や萩生田政調会長は、よどみなく質問をさばききっていただけに、余計小渕氏の回答の稚拙さが際だった。


疑惑について改めて記者会見を開く考えがあるかを問われると、「必要な話があれば言って頂ければと思う」と小渕氏は答えたが、それまでにしっかりトレーニングを受けることをお勧めする。


ふたつめは、岸田総理の会見が相も変わらず国民の心を打たないものだったことだ。


そのわけは、彼の話し方の特徴にある。それは、


①棒読み=抑揚がない


②言葉をやたら区切る


③「ん~」、「え~」、などという間投詞が多い


の3点に尽きる。


①と②だが、なぜそうなるかというと、官僚の作文をただ読んでいるだけだからだ。官僚の書く文章は「霞ヶ関文学(話法)」と揶揄されるが、その特徴は、臆面もなく官僚にしか通じない表現をちりばめることで、当たり障りのない内容にし、決して相手に言質を取らせないことだ。


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