伊、ランペドゥーザ島 人口1.5倍超の移民上陸
Japan In-depth / 2023年9月17日 18時0分
Ulala(著述家)
「フランスUlalaの視点」
【まとめ】
・ランペドゥーザ島に地元人口の1.5倍をこえる1万人の移民が上陸。
・フランス国境に直接やってくる移住希望者の数も増加。
・ドイツはイタリアからの難民を今後受け入れない意向を発表
こんな光景は見たことがない。9月11日月曜日から9月13日水曜日までの間に、アフリカ海岸から150キロ離れたイタリアの人口6000人ちょっとの小さな島、ランペドゥーザ島に地元人口の1.5倍をこえる1万人のヨーロッパに移住を希望する人々が上陸した。2016年の移民危機以来、前代未聞の状況を受けイタリア当局は非常事態を宣言。現地の赤十字は対応に追われている。
また、この事態に対応するために欧州委員長は日曜日、イタリアのジョルジア・メローニ首相を伴ってランペドゥーサ島を訪問する予定となっており、フランスもジェラルド・ダルマナン内務大臣がこの数日のうちの赴くことになっている。一方、ドイツは、イタリアからの難民を今後受け入れない意向を発表した。
■ もともと多くのヨーロッパ移住希望者がたどり着く島、ランペドゥーザ島
チュニジアの海岸から150km以内に位置するランペドゥーサ島は、ヨーロッパを目指して地中海を渡る移民が最初に立ち寄る場所の1つであるが、海路でヨーロッパに到着する人の大部分が集中している島でもある。国連難民高等弁務官事務所のデータによると、2023年1月1日から9月10日までにヨーロッパの海岸に下船した16万人のうち約9万7千人がこの島からヨーロッパに入った。
しかしながら、これほど一度に大量の人が押し寄せたのは、2016年以来だ。9月12日火曜日以来、わずか24時間で約120隻のボートがたどり着いた。水曜日でその数は199隻になり、ついには到着した人数は数日間で1万人を超えたのだ。ISPIシンクタンクのマッテオ・ヴィラ氏によると、48時間以内の到着者数は記録的な人数だという。
今年に入ってから、すでに去年の同時期の2倍の人数が到着していた。国の経済危機のため、人々はリビアを離れ、現在はチュニジアのスファックスを離れヨーロッパに向かっている。その上、9月に入り季節がよくなったのでその人数が劇的に増加したのだ。
欧州国境沿岸警備局フロンテックスは、「犯罪グループ間の熾烈な競争を背景に、密航業者がリビアとチュニジアから出国する移民の価格を引き下げるなどしていて、このルートでやってくる人の流れは、今後数カ月続く可能性がある」と予測している。
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