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伊、ランペドゥーザ島 人口1.5倍超の移民上陸

Japan In-depth / 2023年9月17日 18時0分

 


■ ヨーロッパ移住希望者のその後


このように大量の人々がたどり着いた様子を見て、ヨーロッパの人々は恐怖を感じている人も多い。現地で対応する赤十字もほぼ飽和状態だ。


ランペドゥーサ島の受付センターは、公式には400人の収容能力しかない。そのため、到着した人々は毛布にくるまって外で寝ざえるおえない状況だが、大多数は24時間〜48時間で他の場所に移される。ランペドゥーサ島から直接強制送還というのはなく、基本的には、イタリア全土に点在する受付センターに船か飛行機で運ばれるのだ。


約3000人は9月15日金曜日の夕方までにイタリアの他のセンターに移送され、土曜日に移送は続いた。そこで彼らは亡命申請書を提出し、申請が認められればヨーロッパにとどまることが許される。とは言っても認められるのはほんの一部であり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、2023年1月から6月までの最初の亡命申請で却下された割合はイタリアでは56%だったという。


このように、一度移住を希望する人々を対応する施設に受け入れた後は、亡命申請を受け付け、判断を下す必要があるが、現在、イタリアの受け入れシステムはその能力の限界をはるかに超えた負担にさらされており、イタリア政府のジョルジア・メローニ首相は、欧州連合(EU)に支援を要請した。


 


■ 欧州の緊張:フランスは団結、ドイツは撤退


対応資金として、EUはイタリアに対してすでに1400万ユーロの支援を約束し、EU委員長は日曜日、イタリアのジョルジア・メローニ首相を伴ってランペドゥーサ島を訪問するとしている。


ヨーロッパを目指す人々が一気に上陸した状況を目の当たりにし、各国で動揺が走った。国民が恐怖に思ったことも間違いない。


フランスでは、極右から移民を歓迎しないよう圧力がかけられたが、エマニュエル・マクロン大統領は、フランスは「厳格かつ人道的」に行動すると反論。「これらの人々が亡命や保護の対象となる資格があるのか、それとも帰国を予定している人々なのかを確認する必要がある」と述べた。そして「私たちはそれを非常に効果的にやっていかなければいけない」とし、イタリアに連帯を示し、欧州連合全体の責任を求めた。その上で、マクロン大統領は、土曜日に電話でメローニ首相と会談し、ジェラルド・ダルマナン内務大臣は、数日以内にイタリアに赴くこととなっている。


ちなみに、移住希望者の到着が増加したのはランペドゥーサ島だけではない。フランス国境に直接やってくる移住希望者の数も増加しており、フランスの国境も飽和状態になりつつある。ダルマナン内務大臣は「流入が100%増加」していると述べ、対応するための要員の増強を約束した。


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