李在明逮捕令状棄却、来年の韓国総選挙に影響必至
Japan In-depth / 2023年9月28日 17時0分
この裁判所の判断に対して、検察も異例の長文の立場表明を行い遺憾の表明を行った。
令状棄却から1時間ほど過ぎた3時57分、ソウル中央地検名義のメッセージを通じ「偽証教唆容疑が疎明されたと認め、柏峴洞開発不正に被疑者の関与があったとみるほどの相当な疑いがあるとしながらも、北朝鮮への送金と関連し被疑者の介入を認めた李華永(イ・フアヨン)の陳述を根拠に争いの余地があるといった判断に対しては納得しがたく非常に残念」とし、続けて「偽証教唆容疑が疎明されたというのは証拠隠滅を現実的に行ったということなのに、証拠隠滅の懸念はないと判断し、また周辺人物による不適切な介入を疑うほどの状況を認めながらも証拠隠滅の懸念はないというのは矛盾」と指摘し「納得しがたく、非常に遺憾」との立場を明らかにした。
検察は、拘束令状再請求はしない方針だ。検察関係者は「令状再請求をすれば国会逮捕同意案裁決をまた経なければならないなど1~2カ月程度さらに時間が必要となる。令状再請求せずに起訴する予定」と話した。李代表を起訴するならば秋夕(チュソク、中秋)連休後が有力だ。
■逮捕をまぬかれようとハンストまで行った李代表
様々な疑惑に対する証拠隠滅による逮捕危機に瀕していた李在明氏は、8月31日に突然、「福島原発汚染水放流阻止」「尹錫悦政権暴政糾弾」との理由を掲げてハンガーストライキに突入した。しかし、目標が曖昧な李在明のハンストは、国民の支持を受けられず、むしろ検察による逮捕を避けるための手段だという非難が殺到した。
しかもハンストの内容も中途半端なものだった。午前10時から午後10時まで国会前庭のテント内でハンストをし、それ以外の時間は党代表事務室に入って休息を取るスタイルだったために「シンデレラ断食」と揶揄された。
そして9月18日、検察が逮捕状を請求する数時間前、李在明は救急車で病院に運ばれた。病院に搬送される直前には「呼吸困難からせん妄症状まで見られる」状況だったと伝えられたが、国会近くの大学病院の救急室から3時間後に出てくると、そこから30キロも離れた「緑色病院」という比較的小さな病院に移送されていった。
李在明氏に対する逮捕同意案の国会表決が21日に行われることが確定すると、民主党は「否決」を主張する親李在明派と「可決」を主張する非李在明派に分裂した。民主党は親李在明系が主流だが、すでに国民の力と正義党が可決を党の方針と決定していたので、民主党から30票余りの離脱票があれば可決できる状況だった。
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