1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

日本のサポーターよ、原点に戻れ(下)スポーツの秋2023 その6

Japan In-depth / 2023年10月4日 21時0分

1990年のワールドカップ・イタリア大会においてイングランド代表は、準決勝で西独にPK戦で敗れ、3位決定戦では地元イタリアに敗れて4位となったのだが、一度も故意の反則を犯さない、という戦いぶりを見せ、世界中のサッカーファンから賞賛されたのである。





もともとイングランド。サッカーは激しく体をぶつけ合うボディ・コンタクト(肉弾戦)をその特色とするのだが、その分ルールには忠実である。南欧や中南米の選手が、タックルで倒された際など、わざと痛そうにのたうち回るようなことに対しては、露骨に嫌悪感を示す気風さえあった。





イギリス人のレフェリーと言えば「厳格で恐れを知らない」ことで定評があるし、要は、一部の愚かな人たちのせいで、イングランドのサッカー界全体が大きな痛手を被ることになった、という図だったのだ。





前回、私が浦和レッズを天皇杯から閉め出される状況に追い込んだ一部サポーターを「なんちゃってフーリガン」と評した理由も、ここまで読まれた方にとっては、すでに明らかではないだろうか。





ひとつには(賞賛あるいは正当化するつもりは毛頭ないが)規模も過激さも「本家」には遠く及ばないということと、もうひとつは、背負っているものが違う、ということだ。





イングランドでフーリガンが跋扈した背景について、昔から言われていたのは、若者の深刻な失業問題で、ストレスのはけ口を酒に酔って暴れる行為に認めている、ということである。日本の場合、たしかに昨今、生活に困窮する人が増え、社会の閉塞感も深刻になってきていると、よく言われる。





それは事実だと思うが、彼ら日本の「なんちゃってフーリガン」の場合は、独自に応援グッズやステッカーを販売して金を稼いでおり、騒ぎを起こしてメディアでの露出が増えると、一定の割合で存在する「事あれかし」と思っている若者にアピールし、自分たちの承認欲求も満たされ、経済的にもプラスの効果があるというわけだ。





したがって浦和レッズだけの問題ではなく、ガンバ大阪や鹿島アントラーズのサポーターの中にも、似たり寄ったりの手合いが存在する。ネットにおいて今も根絶されていない「迷惑系」と似たところがあると言ってよい。





繰り返しになるが、日本サッカーは今や黄金時代を迎えようとしている。代表サポーターも、そのマナーの良さでもって世界中から賞賛の対象になっている。





そのようなサッカー界であればこそ、迷惑系もどきの連中がいる場所などない、ということを、今こそはっきりさせるべきだ。





トップ写真:1985年UEFAチャンピオンズカップ決勝戦前の激戦中、リバプールファンが敵対するユベントスファンに追われる。イタリアのファン14人が死亡するという史上最悪の惨事となった。(1985年5月 ベルギー・ブリュッセル)出典: David Cannon/ALLSPORT/ Getty Images




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください