日本のサポーターよ、原点に戻れ(中)スポーツの秋2023 その5
Japan In-depth / 2023年10月6日 21時0分
「たかがボール遊びのことで、なんだって命がけの思いまでしなければならないのか。イギリス人というのは、少しおかしいのではないか」
という感想を抱かざるを得なかった。
さらには、
「将来にわたって、日本の若者が愚にもつかない〈イギリス文化〉に染まることが無いようにしたいものだ」
との考えも、本文で開陳させていただいた。
結果は逆だ、ということではないと、私は今でも思っている。
冒頭で述べた通り、Jリーグの旗が揚がったのは1991年のことだが、初期のサポーターは、もともと日本代表のサポーターだった者が各クラブに散っていったという由来があって、互いに顔見知りで仲もよかった。
この時期は、まだバブル景気の余韻が少しだけ残っていて、海外から多くのビッグネームがJリーグに招聘された。元イングランド代表のガリー・リネカーもその一人である。
Jリーグのオールスター戦に出場した際、観客席で各クラブの応援旗が仲良く振られているのを見た彼は、
「サッカーの理想の姿がここにある」
と感想を述べたものだ。
ワールドカップにおいて、日本のサポーターたちが、試合後に観客席のゴミ拾いをして帰る姿が世界中に中継され、賞賛されたのだが、この試合後のゴミ拾いも、実は浦和レッズのサポーターたちが始めたものだ。
「浦和は偉い。行ったことないが、ロンドンよりはるかに文化的な街なのかも知れぬ」
「よかったらゴミ拾いした後の爪の垢を集めて、ロンドンまで送ってもらえないだろうか。私が煎じて、イングランドの馬鹿サポーターどもに呑ませてやりたいと思う」
……こうしたことを、最初の単行本である『英国ありのまま』(中央公論社・中公文庫、電子版アドレナライズ)に記したほどだ。
そのような浦和レッズ・サポーターがなぜ、一部ではあるにせよ、繰り返し騒ぎを起こす「なんちゃってフーリガン」に成り果てたのか。
次回、日英のフーリガン事情とその背景について、もう少し掘り下げる。
トップ写真:浦和レッズのサポーターたち(2023年8月18日 埼玉 ※写真はイメージ。本文とは関係ありません)
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