日本共産党はやはり非武装政策
Japan In-depth / 2023年10月14日 12時0分
・アメリカの軍拡に従うことは危険だから、日本は日米安全保障条約を破棄し、日米同盟を解消する。
・自衛隊も厳密には「戦力」であり、憲法違反だから、やがては解消する。ただし日本にとっての安全保障環境が完全に平和となる時期までは存続させる。
・日本の防衛政策としての抑止にも反対する。抑止は相互の恐怖に依存しており、危険きわまる概念だといえる。
・日本国憲法は戦力や交戦権を否定した9条が最重要であり、この憲法を大切に守る。日本が戦争や戦死者を出さないできたのは、ひとえにこの憲法9条のお陰だ。
・日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)の平和保持の方式を学ぶべきだ。ASEAN諸国はアメリカにも中国にも偏らない対外政策をとって、平和を保ってきた。
こうした趣旨の志位委員長の講演に対して、私はまず質問の冒頭でこちらの意見として、日本やアメリカの最近の防衛力増強はあくまで中国や北朝鮮、さらにはロシアの軍拡、軍事力行使の実例、その結果としての自国、自陣営への脅威の増大に対応した動きであることを指摘した。なにもないところに日本やアメリカが急速に、一方的な取り始めた防衛強化策ではなく、あくまで中国や北朝鮮の行動を原因とする結果だと、説明した。
東南アジア諸国についても、その中核のベトナムやフィリピンは中国の軍事力行使の犠牲となり、こんごの抑止のためにアメリカへの依存や接近を強めている現実を指摘した。中国に対して穏健な態度をとるかのようにみえるのは、東南アジア諸国側が独自の軍事力がまったく弱小だからといえるのだ。
そのうえで私は志位委員長に二つの具体的な質問をした。第一は尖閣諸島に中国が軍事攻撃をかけてきた際に日本共産党はどんな対応をするのか、だった。第二は、日米同盟をなくし、自衛隊をなくした後の日本はなんらかの独自の防衛組織を持つのか、という問いだった。
志位委員長は多くの言葉を費やし、尖閣諸島があくまで日本の固有の領土であり、中国側の領有権主張は不当だと説明した。この点はきわめて常識的、良識的な答えだった。さらに実際に中国の軍事攻撃があった場合、日本側にはまだ自衛隊が残っているから、それが反撃に出るだろう、という趣旨を遠回しな表現で示唆した。
志位氏は私の第二の質問に対しては、国際的に平和な環境の条件が整うまでは自衛隊はなくさないという趣旨を角度を変えて、何度も語った。ところが私が最後に「しかしついに自衛隊をなくしたという後には、日本独自の防衛組織は持たないということですね」と念を押すと、志位委員長は「持たない」と明確に答えたのだった。
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