日本共産党はやはり非武装政策
Japan In-depth / 2023年10月14日 12時0分
この点での志位氏の主張は明快であり、論理に沿っていた。その前に先立つ説明で、憲法9条は戦力の保持を禁止しているから、明らかに戦力に匹敵する自衛隊も本来、禁止された存在なのだ、という趣旨を強調していたのだ。憲法9条の保持となれば、自衛隊はあってはならない存在になるとする主張だった。
この点、日本共産党の最近の主張は「自衛隊はすぐにはなくさない」とか「自衛隊は日本の周囲が真に平和にならない限り保持する」という表現が多い。自衛隊の存続を容認するかにもひびく言辞である。だが厳密には、そして正確には日本共産党はいまの自衛隊を違憲とみなし、究極的には廃止とし、その後には防衛組織は保持しない、という政策なのである。つまり日本共産党は日本の非武装政策を掲げているのである。
このような思考を志位委員長は率直に語ったのだった。なお私が日本共産党が中国共産党に対して、日本への干渉を跳ね返すような形で関係を断絶した過去の独自路線の実績を前向きに指摘すると、志位委員長は「そうです。毛沢東主席が日本国内での武力闘争を始めろと要求したことに対して、断固と反対したのです」と顔をほころばせた光景は印象に残った。
*この記事は日本戦略研究フォーラムのサイトへの古森義久氏の寄稿論文の転載です。
トップ写真:日本共産党志位和夫委員長(2016年6月22日大阪市)出典:Buddhika Weerasinghe/Getty Images
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