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米議会は日中対立で日本を全面支援

Japan In-depth / 2023年10月16日 11時0分

米議会は日中対立で日本を全面支援


古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視」





【まとめ】


・米連邦議会下院中国特別委員会、中国政府の動きを非難する声明を超党派で発表。


・中国による日本の水産物輸入停止措置は容認できず、撤回されなければならない、と断じる。


・日本はこれほど心強い応援が米議会から表明されていることを認知しておくべき。


 


中国政府は日本への不当な攻撃をかけてきた。すでに安全性が証明された福島第1原発からの処理水を汚染水と断じて、日本の水産物を全面ボイコットするという措置である。日中両国のこの対立は国際的にも注視されている。その場合に他の諸国がこの対立にどんな態度を示すかが


肝要となる。


国際的には中国の主張はほぼ1国、完全に孤立したかにみえるが、ロシアなどが中国寄りへの動く気配を示す。そんななかで超大国のアメリカが早い時期から日本の主張を全面的に支持している事実は明記されてしかるべきである。そのアメリカの日本支援は連邦議会下院の委員会の声明が出発点となった。


この声明は日本のメディアでは十分には報じられていないようだ。この際、この長引きそうな日中対立の国際的な意味という点で、アメリカ議会の対応を改めて詳しく伝えておこう。


アメリカ連邦議会の下院の中国特別委員会は9月中旬、中国政府の動きを非難する声明を超党派で発表した。中国政府による日本の水産物輸入禁止の措置は不当だと断ずる主旨の声明だった。中国政府のこの輸入禁止措置が公表されたのは8月下旬だったから、アメリカ議会の反応は敏速だったといえよう。しかも無条件に中国の措置を不当だとして、日本の立場を全面的に支援するアメリカ議会の声明だったのだ。日本にとってきわめて貴重な支援だったのである。


アメリカ議会下院の中国特別委員会は委員長の共和党のマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)と、同委員会の民主党筆頭メンバーのラジャ・クリシュナムルティ議員(イリノイ州)の連名で、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出に関して中国政府が実行した日本の水産物の輸入規制を明確に非難する声明を発表した。


同声明は「国際原子力機関(IAEA)とアメリカ食品医薬品局(FDA)の安全性審査に照らせば、この中国の措置は威圧的で何の根拠もない。これはわれわれが世界中で見てきた中国の悪意ある経済的な威圧の1つの例である。その目的は日本の水産業に損害を与えることに過ぎない」と明言していた。そのうえで中国による日本の水産物に対する輸入停止措置は容認できず、撤回されなければならない、とも断じていた。同声明はさらに以下の骨子をも強調していた。


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