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かっこいい喫煙者でありたかった たまにはタバコの話でも その2

Japan In-depth / 2023年10月19日 17時0分

高校を出て割とすぐ、またまた喫煙者に戻ったのだが、この時はなんと紙巻きではなくパイプ煙草に手を出した。依然として、人があまりやらないことをやってみたくなる、という性分のままだったのだ。





もっともこれは1年ほどしか続かなかった。あれはもはや喫煙具と言うより道楽の領域なので、色々と手間がかかるし、経済的な負担も紙巻きよりずっと大きい。たまたま外出先でパイプを落としてピット(吸い口の部分)を壊してしまい、そのまま新調するのをあきらめた。





つまりは紙巻きに戻ったわけだが、銘柄はEPSONを選んだ。





その理由が今となっては赤面ものなのだが、当時『エーゲ海に捧ぐ』で芥川賞を受賞し、時の人となっていた池田満寿夫氏が、TVでこのタバコを吸いながらインタビューに応じていたのだ。青いパッケージがなんともかっこよく見えたので同じ銘柄にしたという次第。





今の感覚ではTVカメラの前で喫煙というのも、なかなかすごい話だが、当時は許されていたのだろう。ちなみに1994年をもって製造中止になっている。





その後ハーフ&ハーフという銘柄にまたしても転向した。これはもともとパイプ煙草で、バーレー葉とバージニア葉それぞれ50%のブレンドであることからこの名がある。甘い、パイプ初心者にはうってつけの味であると聞き、私も吸っていた。





これの紙巻きが発売されていることを知って、早速買い求めたわけだが、現在紙巻きは市販されていないようだ。紙巻きの手軽さとパイプ煙草の味わいを兼ね備えた優れものだと思うのだが、喫煙者が「右肩下がり」の昨今、需要もなくなったのだろう。





当時はまた、ジッポーのオイルライターを買って、その後も長く使っていた。





これまたバカにされるリスクを覚悟して述べると、100円ライターでショッポに火をつける林信吾などありえない、といった、自己満足などと言うも愚かな気分だったのである。





いや、真面目な話、私にとって喫煙とはニコチンを摂取する手段ではなく、一種のファッションアイテムとしてのタバコが共にあったのだ。なので、紙巻きについてはタバコと表記し、パイプで吸うそれは煙草と表記している。





その後、英国ロンドンに渡ってからはキャメルを吸うようになった。念願の洋モクというわけではもちろんなく、アメリカタバコは世界中で比較的安く買える。





周囲の日本人には、シルクカットという英国タバコが好まれていたようだが、これはおそらく、セブンスターとよく似た軽い口当たりだったからだろう。





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