「異次元の」花粉症対策を~【日本経済をターンアラウンドする!】その17
Japan In-depth / 2023年10月20日 18時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・岸田政権は花粉症に対する政策のスタートとして「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」を発表。
・達成可能で網羅的な目標を明確に、迅速に出した岸田政権。
・予算をさらに増やした上で、花粉症政策の優先度を高めていく必要がある。
岸田政権がやっと日の目を当ててくれた政策、それが花粉症。
筆者は花粉症の政策提言を長くしてきたが、ついに形になったこと、報われたことで嬉しい限りである。最近、岸田政権の支持率が低下しているが、地味ながら着実に政策を進めているのも事実である。その中でも、花粉症対策は凄いのだ。発表した「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」、素晴らしい出来なのである。
大きく4つの方向性が提案されている。
(1) スギ人工林の伐採・植替え等の加速化
(2) スギ材需要の拡大
(3) 花粉の少ない苗木の生産拡大
(4) 林業の生産性向上及び労働力の確保
このようなリーダーシップを見ていると、今までの政治家は何をやっていたの?という思いも出てきてしまうほど。誰もできなかったことに本気で取り組む姿勢、素晴らしいのだ。
解説していこう。
□ 様々な政策
▲図【出典】政府の花粉症対策
そもそもの背景であるが、花粉症対策に本腰を入れることを表明して以来、今年5月、今後10年を視野に入れた施策も含め、花粉症解決のための 道筋を示す「花粉症対策の全体像」を明らかにし、年内に「林業活性化・木材利用推進パッケージ」(仮称)を策定していくことが予定されていた。「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」はそのスタートとみていいだろう。
中身を見てみると、人工林の伐採・植替えの加速化では、本年度中に重点的に伐採・植替え等を実施する区域を設定する。さらに伐採面積を5万ha/年から10年後には7万ha/年まで増加させるという。その他、スギ人工林の伐採・植替えの一貫作業の推進、伐採・植替えに必要な路網整備の推進、意欲ある林業経営体への森林の集約化の促進などを進める。さらにスギ材を活用した木造建築物の着工の増加、住宅分野におけるスギ材製品への転換促進で、スギ材製品の需要を現行の1,240万㎥から10年後に1,710万㎥に拡大するなど林業の再生までも視野にいれる。また、花粉の少ない苗木の生産拡大として、官民連携で花粉の少ないスギ苗木の生産割合を現行の5割から10年後に9割以上に引き上げることなどが明らかになった。
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