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えげれす国紫煙譚(下)たまにはタバコの話でも その4

Japan In-depth / 2023年10月28日 17時0分

さらには、若い女性が通りかかると、





「タバコ1本、どう?」





などという、新手のナンパみたいなことを始めた若者もいたとか。しぶといと言うべきか、懲りないと言うべきか。





こうした面はあるが、あくまでも一面の事実で、英国全体として見れば、成人男性の喫煙率はご多聞に漏れず「右肩下がり」である。





2019年に実施された調査の結果だが、成人男性の喫煙率はおよそ14%で、女性のそれはやや低いとのこと。





米国(12.5%)よりはやや高いが、日本(25.7%)、ドイツ(30.9%)、フランス(25.5%)に比べると低い。いずれにせよ総人口などを加味して考えれば、微々たる差でしかなく、今や先進国における喫煙率は「どんぐりの背比べ」になっていると言ってよいと思われる。





2019年にはまた、





「2030年までに喫煙率を全人口の5%未満にする」





との目標も掲げられたが、最近の調査で、早くも達成は絶望的であるとされ、2039年まで、と「下方修正」されることになったようだ。





とは言え、おいそれと引き下がらないのが英国の政治家で、今月15日に開かれた保守党大会の席上、スナク首相が驚くべき政策案をぶち上げた。





現在英国では18歳以上であればタバコを買うことができるのだが、2027年からこの年齢制限を毎年1歳ずつ引き上げて行くという。





この法案が現実のものとなれば、2009年以降に生まれた英国人は、一生涯タバコを買うことができなくなるわけだ。





これはスナク首相の独創ではなく、ニュージーランドではすでに、2009年以降に生まれた国民はタバコを買うことができないようにする法整備が進められている。





英国では、まだ首相が法案提出の意思を表明しただけで、しかも議会で採決が行われる際は、党議拘束のない自由投票に委ねるとしているので、先行きは不透明なのだが、ここまで述べてきた「英国における喫煙者の状態」を見る限り、成立する可能性は結構高そうだ。





それにしても、どうしてそこまでタバコが敵視されるのか。





スナク首相自身が述べたことを煎じ詰めると、タバコは複数の生活習慣病の原因となっており、NHS(ナショナル・ヘルス・サービス=英国特有の無償医療制度)を維持して行く上で、大きな障壁になっているというものである。これは昨今どこの国でも、禁煙もしくは嫌煙を主張する人たちの最大公約数的な意見であると考えてよいだろう。





ならば昨今日本でも注目されている、電子タバコはどうなのかと思えるのだが、これについてもスナク首相は、現時点では黙認するが、





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