米中関係はどうなるのか~トシ・ヨシハラ氏と語る その1 中国の日本への悪意の真の理由
Japan In-depth / 2023年10月30日 18時29分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・中国による福島第一の処理水に対する非難は常軌を逸している。
・中国のこの日本攻撃は日本へのすばらしい『贈り物』(ギフト)。
・中国の処理水非難は日本側の思考の変化をさらに推進する効果がある。
私もアメリカの対中国政策をワシントンや北京でもう20年以上、かなり詳しく追ってきましたが、これほど中国が熱い論題になるのを目撃するのは初めてだ。米側の中国研究もきわめて幅が広く奥が深くなった。アメリカでも日本でも中国が炎上している。中国にどう対処するかが国政、社会、学界、メディアでの熱い議論を生んでいるのだ。そのうねりのなかでも超大国アメリカが中国をどうみるかは最大の焦点だといえよう。こうした視点からアメリカの学界でも中国研究では有数の権威のトシ・ヨシハラ氏と産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏が意見交換の形で中国を論じた。
日系米人ながらも台湾で育ち、中国語をマスターしたヨシハラ氏は中国側の広範な文書を読破する独特の研究手法でも知られる。米海軍大学の教授と同大学付属の中国海洋研究所の主任研究員を長年、務め、現在はワシントンの大手研究機関「戦略予算評価センター(CSBA)」の上級研究員として活躍する。中国関連の著書も多く、日本では「中国海軍vs海上自衛隊」がすでに刊行され、今年秋にはさらに「毛沢東の兵、兵、海へ行く」が出版される。
古森氏は産経新聞の初代中国総局長として北京に駐在して中国報道の経験を重ね、ワシントンでも長年、米中関係を報じてきた。著書は「日中再考」、「米中対決の真実」など多数ある。(編集部)
古森義久 「ワシントンでの多様な議論ではやはり中国が主題ですね。中国をアメリカにとっての最大の危険な脅威、あるいは競合相手とみて、その抑止に備える、というのは国政の場ではもうコンセンサスに近い。熱のこもった議論の課題ならば、国内問題ではやはりドナルド・トランプ前大統領の動向でしょう。しかし対外政策ではまず中国ですね。
私もアメリカの対中国政策をワシントンや北京でもう20年以上、かなり詳しく追ってきましたが、これほど中国が熱い論題になるのを目撃するのは初めてです。米側の中国研究もきわめて幅が広く奥が深くなりました。そのなかでヨシハラさんはアメリカ海軍大学の教授や同大学付属の中国海洋研究所の主任研究員を長年、務め、いまはワシントンの大手シンクタンクに籍をおいて中国の軍事や政治、外交にまで研究対象を広げています。
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