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世界に冠たる大麻漬けドイツ(?) たまにはタバコの話でも その5

Japan In-depth / 2023年11月1日 11時0分

と言葉を継がれると、それはたしかに笑い事ではない、と納得する他はなかった。警察が動く事態となれば、彼女までが屈辱的な検査を受けさせられるリスクがあるわけで。


ドイツ保険局が2021年に実施した調査によれば、18歳から25歳までのドイツ人のうち、これまで一度でも大麻を経験したことがあるという人は25%に達しており、10年前と比較して倍増しているそうだ(ロイター電などによる)。


さらに問題なのは、このような傾向がドイツ特有のものではない、ということだ。


実際にドイツ政府のこのような動きを伝えた外電によれば、法案が成立した場合、イタリアなど周辺諸国に与える影響も決して小さなものではないだろう、と見られている。


英国が「喫煙者に対するジェノサイドか!」とツッコミを入れたくなるような法律の導入を検討していることは、前回述べた通りだが、これとても(あくまでもひとつの可能性だが)、次世代の若者が、


「タバコがなくても大麻があるさ」


という発想を持たないという保証はどこにもあるまい。


シリーズ第2回で、私が喫煙者であった理由はニコチンの誘惑より、むしろタバコが一種のファッションアイテムであったから、と述べたが、21世紀ヨーロッパの若者にとって、大麻はオシャレなのではないだろうか。またしてもサンドラ・ヘフェリンさんの言葉を借りるなら、昨今のドイツでは、


「今時、大麻を悪く言うのはダサい、みたいな発想は、間違いなくあると思います」


ということになる。


ヨーロッパの若年層に大麻がここまで浸透し、合法化を求める政治的圧力を持つまでに至った理由を掘り下げて行くと、タバコと同様、


「リラックス効果があるし、そもそも格好いい」


と思われているという要素があるのではないだろうか。


もうひとつ、ドイツ発のこの方に接した私が抱いた率直な感想は、


(来るべきものが来た、ということなのだろうか)


というものであった。


唐突だが、1987年に公開された『ハワイアン・ドリーム』という映画をご存じだろうか。


監督・脚本の川島透、主演のジョニー大倉が、いずれも鬼籍に入ってしまっているが、日本でヤクザともめた末、ハワイに逃れてきたチンピラ二人組(相棒役は時任三郎)が、今度はイタリア系マフィアとトラブルになる、といったストーリー。全編ドタバタのB級映画と言えばそれまでだが、なかなか面白い。


トラブルの原因とは、近い将来マリファナ(=大麻)が合法化されると見越した大手タバコ会社が、ホノルルの顔役となっているマフィアを抱き込んで、利権の独占を目論む。


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