岸田さんの総合経済政策はホンモノである~【日本経済をターンアラウンドする!】その18
Japan In-depth / 2023年11月7日 12時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・潜在成長率上昇と好循環実現を目指す政府の経済対策は評価できる。
・好循環実現のためにエネルギーをどうするか、もう少し危機感を明確に打ち出すべき。
・GDP押上効果は1.2%。効果も積算し経済政策全体を進める岸田政権に期待。
【出典】首相官邸HP
岸田総理は大型の総合経済対策について発表した。総額17兆円台、物価高対策としての所得税と住民税の減税がおおきな話題になった。3.5兆円増えた税収分を定額減税で戻す形で、
・4万円の減税を受けるのは8600万人
・住民税非課税世帯1500万人には7万円
という国民への還元である。足元の物価高対策としては、ガソリン価格を平均175円程度に抑えるための補助金、電気・ガス料金の負担軽減措置も延長された。
「マイナンバー公金受取口座の普及にも役立つし10万円給付すればよいでしょ」という声も国民の中にはあったし、いきなり減税を言い出したことで「誤解」はされているが、話題になった部分以外は相変わらず着実な経済政策を行っている。
【出典】「総合経済対策 政策ファイル」
ニュースでは給付や減税のことばかりで、経済政策の本質を見誤らないことが重要である。
□ 総合的な対策
皆さんが誤解してしまうのはその詳細が明らかにされない、明確にアピールできていないからである。基本認識は、「日本経済を熱量溢れる新しい経済ステージへと移行させるためのスタートダッシュを図るためのもの」(内閣府「デフレ完全脱却のための総合経済対策」より)であることを忘れてはいけない。そもそもの目的である。
当面は、物価対策であるが、中長期的な視点での政策である。特に、それは方針で明らかになっている。「足元の物価高から国民生活・事業活動を守る対策に万全を期す。併せて、賃上げの流れを地方・中堅・中小企業にも波及させ、賃上げ のモメンタムの維持・拡大を図る」のが第一方針であるのだ。
物価高対策は優先順位が高いものの、それだけでもない。とりあえず当面の物価高対策。そして賃上げということだ。詳細を見ていっても、多岐にわたることがわかる。
Ⅰ.物価高から国民生活を守る <財政支出> 6.3 兆円
Ⅱ.地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と
地方の成長を実現する <財政支出> 3 兆円
Ⅲ.成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する
<財政支出> 4.7兆円
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